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アンチフットボールで躍進ヘタフェ。
ボルダラスは恥さらしか名将か? 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byGetty Images

posted2020/03/07 11:40

アンチフットボールで躍進ヘタフェ。ボルダラスは恥さらしか名将か?<Number Web> photograph by Getty Images

ヘタフェのボルダラス監督(左)は、ELアヤックス戦でテンハーフ監督と揉める場面も。

楽しませるスタイルか、結果か。

 さて、ここで良いサッカーとは何かを一考したい。

 スペインにおける一般的な定義は「試合の主導権を握り、短いパスをつなぎ、能動的に攻める」といったところだ。「観客を楽しませること」を重視する人もいる。

 このようなサッカー観をスペインにもたらしたのはクライフだ。第2レグのスタンドでビール入りのカップを投げたサポーターも、おそらく同意するだろう。

 一方、試合をする以上目的は勝利であり、勝利に結びつくスタイルこそが良いサッカーという考え方もある。

 例えば、ルールの範囲内でやれることはすべてやり、相手のミスを逃さず素早くゴールを狙う。印象は悪くても、勝ちさえすれば自分たちのサポーターを喜ばせることはできる。

 現在のヘタフェの戦い方は、認められるべきなのか――。

 そんなスタイルでも結果を残しているボルダラスは、名将なのか――。

 3月1日の第26節でヘタフェと対戦して、0-1で敗れたマジョルカのビセンテ・モレノ監督の意見はこうだ。

「グアルディオラやクロップ、シメオネばかりが手本とされているけれど、ボルダラスも皆の鑑だと思う。毎年、目標を苦もなく達成している」

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ペペ・ボルダラス
ヘタフェ

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