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ラツィオ、20年ぶりスクデットへ。
インザーギ監督と大穴軍団が駆ける!
posted2020/03/07 11:50
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
ラツィオは“万馬券”だった。
今季開幕から間もない昨年9月、オンライン・ブックメーカー『888sport』がラツィオのスクデット獲得に設定した払い戻し倍率は大穴の100倍――。しかし、春を迎えた今、3.50倍とラツィオ人気は急上昇している。
1.5倍の一番人気、ユベントスも早々に食われかねない。
先月29日、第26節ボローニャ戦に2-0で勝ったラツィオは、とうとうセリエA首位に躍り出た。
「ずっと1位になることを夢見てきた。監督を引き受けた4年前からずっとだ。我々の首位はまぐれじゃないし、この先も最後まで引き下がるつもりはない。2000年のように、スクデットを皆で祝おうじゃないか!」
シモーネ・インザーギ監督は20年ぶりの優勝へ本気だ。
インモービレを生かす随一の中盤。
新型コロナウイルスが猛威を振るうイタリアで、首位ラツィオと2位ユベントス、3位インテルによるスクデット争いが過熱している。
第26節ボローニャ戦の白星で、ラツィオの今季リーグ戦連続無敗記録は21試合(17勝4分)に達した。
無敗街道の原動力がエースFWチロ・インモービレの決定力(26試合27得点)にあることは疑いないが、ラツィオの強みはリーグ随一の完成度を誇る中盤にもある。
ボローニャ戦で先制ゴールと追加点のアシストを決めたのは“魔術師”、ルイス・アルベルトだ。
糸引くように地面を滑るスルーパスを次々に繰り出す。寡黙ながら、リーグ最強のアシストマンとしてこれまでに12本を重ねている。
3-5-2の中盤には“プレミア仕込みのタフガイ”ルーカス・レイバと“鉄の軍曹”セルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチが構える。彼らの前に王者ユーベもインテルも屈した。