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世界選手権金2個。東京五輪も超有望。
日本バドミントンが強くなった理由。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byTadashi Shirasawa
posted2020/01/05 11:30
2004年に日本代表のヘッドコーチに就任した、現在55歳の朴氏。彼の存在なくして、今の隆盛を見ることはなかった。
盤石の強さを誇る桃田。
現在、男子シングルス世界ランキング1位を独走する桃田は、今季、世界選手権、ワールドツアーファイナルズを始め、ツアー11勝を挙げた。公式戦73試合中、敗れたのはわずか6試合。盤石の強さを誇っている。
また、世界ランクのトップ10には、男子シングルス2人(1位/桃田賢斗、10位/常山幹太)、女子シングルス2人(3位/山口茜、4位/奥原希望)、男子ダブルス2組(3位/嘉村健士&園田啓悟、6位/遠藤大由&渡辺勇大)、女子ダブルス3組(2位/福島由紀&廣田彩花、3位/永原和可那&松本麻佑、4位/高橋礼華&松友美佐紀)、混合ダブルス1組(3位/渡辺勇大&東野有紗)と、各種目で日本勢は存在感を発揮している。
史上最も熾烈な五輪代表争い。
特に女子ダブルスはトップ10入りしている3組が2~4位にひしめくという大接戦を演じている。実力が伯仲したペアがしのぎを削る現在、日本バドミントン史においても、最も熾烈な五輪代表争いを繰り広げているといっても過言ではない。
彼女たちは互いに刺激を受け、切磋琢磨しながら実力を付け、世界でも台頭してきた。身近にいる国内ライバルの存在が慢心を許さず、さらなる成長を促している。
また、1996年アトランタ五輪から正式競技に加わった混合ダブルスは、これまでなかなか満足できる成績をあげられていなかった。男女のシングルス、ダブルスの強化が進む一方で、混合ダブルスには専任コーチがおらず、かつては日本代表メンバーから即席で編成して戦うことも多かった。
しかし、2018年1月にマレーシア代表で男子ダブルスコーチを務めていたジェレミー・ガン氏を専任コーチとして招聘し、東京五輪へ向けて本格的な強化をスタートさせると、成果はすぐに現れた。