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日本女子トランポリンが金銀独占。
森ひかるが見せたエースの仕事。

posted2020/01/03 15:00

 
日本女子トランポリンが金銀独占。森ひかるが見せたエースの仕事。<Number Web> photograph by AFLO

0.635点差で銀の土井畑知里(左)も「銀がこんなに悔しいとは思わなかった」と代表残り1 枠に闘志を新たにした。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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AFLO

 東京五輪会場となる有明体操競技場に、日の丸の旗が美しくはためいた。同競技場のこけら落としとして開かれた世界トランポリン選手権('19年11月28日~12月1日)の女子個人で、W杯ランク3位のエース・森ひかる(金沢学院大クラブ)が55.860点をマーク。個人では男女を通じて日本人初の金メダルを獲得し、東京五輪の代表に決まった。

「金メダルはビックリ。今大会はエースと呼ばれることが多くてプレッシャーが大きかったのですが、その中でもしっかりと演技をすることができました。エースとしての仕事を果たすことはできたと思います」

 採点が出たときに飛び跳ねながら見せた天真爛漫な笑顔。代表決定に胸をなで下ろす表情。そのどちらにも20歳の輝きがある。

 武器とする「トリフィス(前方3回宙返り、半ひねり)」を2本入れた高難度の演技で頂点に立った。14歳で出た全日本選手権で史上最年少優勝を飾り、天才少女の名をほしいままにしてきた森にとっては、小6の時点ですでに出来ていた技。しかし、高1で強豪の金沢学院東高(現金沢学院高)に転校したのをきっかけに基礎の見直しから再出発したことで、ここ数年間は演技構成から外していた。

トリフィスの完成はまだ先だが。

 トリフィス2本を入れる構成に戻したのは今夏から。まだ完成に至っていないことは、今大会の決勝で出た横ブレや膝の曲がりからも明らかだが、それでも大会を通じて安定感のある演技を続けたのはさすがだ。「予選や団体決勝も含めて失敗がなかったので、勝負強さはアピールできた」と胸を張る。

 五輪前年に金メダルを獲得したことで本番への期待は一層膨らむ。だが、森の心に隙はない。今大会ではW杯ランク1位の劉霊玲が準決勝落ちするなど、実力のある中国勢が不調。五輪2連覇中のロザンナ・マクレナン(カナダ)は故障明けで銅メダルにとどまった。丸山章子女子強化本部長は「今回は優勝できたが本番は甘くない。五輪では57点くらいが優勝ラインになる」と気を引き締める。

 今大会の会場は東京五輪の体操、新体操、トランポリン会場でもある。金メダルに輝いた森と銀メダルの土井畑知里(三菱電機)が日の丸の旗を肩にかけてスタンドに手を振った光景の再現にも期待したい。

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