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<新世代コーチ座談会>
箱根駅伝の人材育成術。
~上野裕一郎×竹澤健介×宇賀地強×横田真人~
posted2019/12/23 15:00

左から竹澤健介、上野裕一郎、宇賀地強、横田真人。
text by

西本武司(EKIDEN News)Takeshi Nishimoto
photograph by
Takuya Sugiyama
中大で破天荒な走りを見せた上野裕一郎、早大時代に北京五輪にも出場した竹澤健介、常勝駒大で4年連続2区を走った宇賀地強、そして慶大出身の800m元日本記録保持者・横田真人。大学時代から陸上界を沸かせてきた同世代の4人は今、指導者として第一歩を踏み出している。今後の陸上界を担う新世代コーチが、箱根駅伝の過去・現在・未来を語り合った。
――手始めに、今回の箱根駅伝ではどこが優勝すると予想していますか?
横田 この4人の中では箱根に最も縁遠い僕から……無難な答えで恐縮ですが、全日本大学駅伝を勝った東海大です。
宇賀地 自分も東海大。とにかく選手層が厚いのが強みですよね。母校の駒大にも優勝して欲しいけれど、冷静に選手10名の能力を比べるとやや厳しい。1年生の田澤(廉)もすごい能力を持っている選手だけれど、東海大時代の佐藤悠基さんや竹澤さんといった歴史に残るスーパーエースと比べると、ややインパクトが薄い印象がある。
竹澤 普段関西にいる僕は、あまり詳しいチーム事情を知らないということを言い訳にしつつ、願望も込めて早大で(笑)。予選会は9位と苦戦したけど、全日本で6位と急浮上したから期待してしまう。
――上野さんはどうですか? 東海大の両角(速)監督は佐久長聖高の恩師ですよね。
上野 両角先生も東海大に移ってから苦労されて、佐久長聖時代に比べるとだいぶ丸くなったなぁと思いながらみています。今年の東海大は「速い」より「強い」というイメージがある。「黄金世代」と言われる4年生が本調子でない場合に、温情采配で起用するようなことをしなければ勝つでしょう。でも、箱根の舞台を再び目指している立教大学の監督としては、新興の東京国際大学に頑張って欲しい。4年の伊藤(達彦)など他校を脅かすエースもいますから。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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