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広澤克実と“PONY”の球数制限。
練習や喫煙にまで踏み込んだ新提案。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2019/11/30 20:00
ヤクルト、巨人、阪神で活躍した広澤克実氏。実はカンボジア代表のコーチなどもしている。
高野連の球数制限への賛否両論。
山田が投手を継続できなかった理由がセンバツでの登板だと断言することはできないが、過去を精査して前に進むことは必要不可欠だ。
そして高校野球界は、いよいよ球数制限ルールを導入するようだ。今年4月に発足した「投手による障害予防の有識者会議」が答申を出し、来春の選抜から実施される。報道によれば「1週間で500球」という制限のようだが、これに賛否両論が渦巻いている。
今や日本のアマチュアの野球界にとって、球数制限のルールは避けられない。高校野球ばかりが話題になるが、日本高野連に先駆け、いくつかの競技団体が球数制限を導入している。
特に目を引くのが、一般社団法人日本ポニーベースボール協会だ。同協会はこのほど「SUPER PONY ACTION 2020」というプロジェクトを発表し、日本高野連よりはるかに「子供の未来を考えた」取り組みに着手する。
中学1年生は変化球禁止で60球。
同プロジェクトは主に3つの項目からなり、それらは全て「子どもたちを守るため」のかなり厳しいルールだ。
根幹を成す1つ目が「PONY Super Pitch Program」と題した投球制限だ。
試合における投球数の限度を、中学1年生には変化球禁止を含む60球、中学2年生は75球、3年生が85球と設定した。その上で同日の連投および投手と捕手を兼任することを禁止。1日50球以上投球を行った場合、投手休養日を1日設け、3連投は不可。同一試合の再登板は1回だけ認めると言うものだ。
さらに、練習における投球数についても投球目安として提示した。
各学年の投球数は試合時と同じにして、1年生の週間投球数は180球(変化球は禁止)、2年生は210球、3年生は240球としている。