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広澤克実と“PONY”の球数制限。
練習や喫煙にまで踏み込んだ新提案。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2019/11/30 20:00
ヤクルト、巨人、阪神で活躍した広澤克実氏。実はカンボジア代表のコーチなどもしている。
アマチュア球界の監視役を期待したい。
ポニーリーグとは、Protect Our Nation's Youthの頭文字をとってPONYと言う名がついたアメリカ発の競技団体だ。その意味は「国の宝である青少年の成長を守る」だそうだ。
その名前通りのプロジェクトに着手する彼らには、アマチュア球界の監視役と言う役割を期待したい。
たとえば今年夏の沖縄大会決勝戦でも、興南のエース宮城大弥投手が200球以上を投げた。その宮城は沖縄のポニーリーグ出身の選手だと言う。ポニーリーグにいる間は守られていても、その先で潰されては元も子もない。
同プロジェクトが進んでも、日本高野連が「1週間500球以内」というゆるい球数制限である限りは、これまでとさほど変わらない事態が起きていくだろう。
先の山田のケースに照らし合わせれば、7日間で451球を投げた彼は新ルールが適応されても引っかからないのだ。
広澤氏は「僕たちには、他の連盟に意見をしたり、野球界全体に何かを言うつもりはない」とあくまで自分たちのプロジェクトの成功をめざすと語っている。
しかし、大きく異なる2つの理想を掲げる両者が今後どんな関係を築けるかは、ジュニア世代の野球にとって大きな意味をなしていくはずだ。