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メッシとの連係がまだイマイチな、
グリーズマンとバルサに送る処方箋。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byUniphoto Press

posted2019/11/22 11:30

メッシとの連係がまだイマイチな、グリーズマンとバルサに送る処方箋。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

グリーズマンは決して利己的なタイプではない。メッシ&スアレスとの関係性さえ整理すれば解決するはず。

得意の飛び出しをバルサが活かせない。

 グリーズマンはスペースへの飛び出しが抜群に巧い。なのに、少なくとも今のところ、彼自身もチームもそんな彼の特長を、うまく活かせないでいる。

 その代わりというわけでもないだろうが、守備での頑張りが目につく。バルサが1-3で敗れた第12節レバンテ戦では自身最多となる8回のボール奪取を記録し、試合後の記者会見で「(アトレティコ時代に)シメオネに教わったこと。攻撃であろうと守備であろうとチームを助けるために自分はいる」と語っている。

 とはいえ、彼に求められているのはやはり前者だ。

 グリーズマンのプレーとバルサのサッカーは、いつの日か噛み合うのだろうか。バルサのチーム関係者は楽観視している。

「彼は非常に賢く、負けず嫌いで、最終的に自分を適応させる。『あいつ大丈夫か?』と思われるところがあっても、その都度状況を引っ繰り返してきた。レアル・ソシエダでもアトレティコでも成し遂げたのだから、バルサでもやってのけるだろう」

トップ下、セカンドトップなら。

 助け船を出せる者がいるとしたら、バルベルデ監督である。メッシやスアレスと前線で3トップを組む際、グリーズマンは常に左サイドに立たされてきた。しかし、そこは彼のパフォーマンスが最も落ちる場所である。

 監督がフォーメーションに手を加え、スペースへの飛び出しと並ぶグリーズマンの特長「ワンタッチプレーの巧さ」や「決定力」を十二分に活用できるポジションを作り出せば、彼だけでなくチームも大きな利を得るはずである。

 例えば、トップ下ならスアレスの脇を突いて相手ゴールを急襲し、右サイドのメッシとこれまで以上に絡むことができる。あるいは2トップの一角をセカンドトップで担わせ、トップ下はメッシに任せてもいい。

 そうすればスアレスが相手DFを誘い出したところにグリーズマンが流れ、メッシが絶妙なタイミングでラストパスを出す――なんてシーンが見られるかもしれない。

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