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浦和サポーターの熱に不調はない。
改めて感じた、心強すぎる後押し。
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byGetty Images
posted2019/10/06 09:00
ACL準決勝広州戦でも見事だった浦和のコレオグラフィー。サポーターの声援が選手たちの力になった。
2度のアジア制覇。
浦和は過去2度、アジア制覇を成し遂げたが、2007年の最初の優勝のときはワシントン、ポンテ、闘莉王などアジア最強にふさわしい陣容を整えていた。サポーターの支援も圧倒的だったが、戦力を考えれば勝つべくして勝ったといえる。
'07年に比べて、'17年の優勝は、サポーターなくしては考えられない。
J1では夏場に入って失速し、ペトロヴィッチ監督が解任。堀孝史コーチが緊急登板を余儀なくされた。そんな厳しい中でもアジア戦線を勝ち抜けたのは、熱狂的なサポーターがついていたからだ。
日本一の呼び声が高い浦和サポーターの名声は海を越え、アジアにもとどろく。
ヨーロッパではリバプールやドルトムント、南米ではボカのサポーターが有名だが、アジアでは浦和が挙がるはずだ。
応援を敵として体験したい。
私は3月上旬、ACL本大会初出場を果たしたマレーシア王者JDTのサポーター「海峡ボーイズ」の鹿島遠征にアテンドした。
そのときに多くの若者から、「次は浦和と対戦したい」という声を聞いた。その理由は「あの迫力満点の応援を、敵として体験したい」。熱狂的なサポーターが、そのまま浦和のイメージに重なっている。
マレーシアだけではない。中国にも浦和サポーターのファンは多く、その応援スタイルは彼の地のサポーターにも多大な影響を与えている。
浦和がアジアで勝つたびに、サポーターの熱狂ぶりが話題となり、韓国や中国、さらにはイランやサウジアラビアでも赤い軍団の猛威が囁かれるようになった。