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「テリフィック12」がバスケ版ACLに?
Bリーグ強化の道は海外大会にあり。
text by
小永吉陽子Yoko Konagayoshi
photograph byEASL
posted2019/09/29 19:00
日本から出場した4チーム中、唯一1勝をあげた千葉ジェッツ。ワールドカップを負傷欠場した富樫勇樹も復帰しチームを牽引した。
東アジアにこだわる理由とは。
バスケのユーロリーグとは、ヨーロッパ各国で優秀な成績を収めた強豪18クラブが集結し、レギュラーシーズン中にホーム&アウェーで試合を行い、ファイナル4からはトーナメントで優勝を争うリーグのことで、権威ある大会となっている。サッカーでいう『AFCチャンピオンズリーグ(ACL)』のバスケ版を目指す構想、といえばわかりやすいだろうか。
現在のところリーグ構想にあるのは中国、日本、韓国、フィリピンが参加し、各国上位2チーム、計8クラブがシーズン中に戦うシステムだ。
東アジアにこだわる理由は、広大なアジア地域を4~5時間の飛行距離で移動できる範囲を想定しているため。プレーオフはマカオの一極開催が濃厚だ。アジアチャンピオンになることで、自国リーグやクラブの価値を高めることにもつながるだろう。
代表を務めるアメリカ人の情熱。
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東アジアスーパーリーグの代表を務めるマット・ベイヤーは熱意にあふれたアメリカ人。ただ、実績のないアメリカ人がアジアの発展のためにリーグ化計画の推進を唱えたところで、最初は誰も信用しなかった。だが、ベイヤー代表は信念のままに突き進んだ。彼はアメリカ人だが、活動のベースは中国にある。
高校卒業後に縁があって中国に渡ると、様々な職を経たのちにCBAの外国籍選手を扱うエージェントとして活動を開始。中国代表のエース、イー・ジャンリャンがNBAに在籍した時もエージェント兼専属マネージャーとして働いた。
NBAを知る男は、縁があって住むことになった中国の地で、アジアバスケの発展のために、「まずは実績を作ること」から始め、3年かけてテリフィック12を定着させてきたのだ。
そこで、協力に乗り出したのがマカオ政府である。マカオはカジノで有名な街だが、今後はファミリー層を受け入れたい意向があり、マカオ特別行政区スポーツ庁が支援をすることになった。テリフィック12は、毎年開催しているマカオグランプリに次いでスポーツ庁が力を入れている支援先となっている。