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「テリフィック12」がバスケ版ACLに?
Bリーグ強化の道は海外大会にあり。
posted2019/09/29 19:00
text by
小永吉陽子Yoko Konagayoshi
photograph by
EASL
マカオで開催された賞金トーナメント『テリフィック12』に参戦した五十嵐圭(新潟アルビレックスBB)は、13年前に出たワールドカップ(当時は世界選手権)を思い出してこう発言した。
「この夏、日本はワールドカップで5連敗したけれど、日本代表の選手たちは皆、ワールドカップで得た経験をBリーグに持ち帰ると誓っていました。それが日本を強くする方法なのは間違いありません。僕自身もこの大会で得たことはリーグで出していきたい。
ただ――Bリーグで経験を出すといっても、代表選手だとBリーグでは通用してしまう。だったら、こういった海外の大会に出て、いろんなタイプの海外のチームとたくさん試合をしたほうが、もっと早くに強化できるんじゃないかと思います。Bリーグだとガードは外国籍選手とマッチアップする機会はそんなにないけど、この大会だったらできる」
予選敗退してもマカオに残って。
9月17日から22日にかけてマカオで開催されたテリフィック12は、FIBA公認の『アジアリーグリミテッド』(以下、東アジアスーパーリーグ)が主催するオフシーズンの賞金トーナメントで、今年で3年目を迎える。
日本、中国、韓国とフィリピンの各国プロリーグから推薦された精鋭12チームが参戦し、優勝チームには15万ドル(約1600万円)、準優勝は10万ドル(約1100万円)、3位は5万ドル(約540万円)が与えられるアジアでは破格のトーナメントだ。
こうした海外のトーナメントに初めて参戦する新潟としては、絶好の学びの機会だったのだ。
「恥ずかしい話ですが、我々は海外のチームに対して情報収集やスカウティングに関してはとても遅れています。だからこそ、この大会で様々なチームと対戦し、試合を見ることも勉強だと思って参加しました」と庄司和広ヘッドコーチがコメントする新潟は、予選ラウンドで敗退しても最終日まで現地に残り、ファイナルを観戦してからの帰国となった。
そんな中で司令塔の五十嵐は、中国とフィリピンの強豪クラブと対戦したことで、日本代表としてワールドカップのコートに立った13年前と同じような気持ちを感じていたのだ。