バスケットボールPRESSBACK NUMBER
「テリフィック12」がバスケ版ACLに?
Bリーグ強化の道は海外大会にあり。
text by
小永吉陽子Yoko Konagayoshi
photograph byEASL
posted2019/09/29 19:00
日本から出場した4チーム中、唯一1勝をあげた千葉ジェッツ。ワールドカップを負傷欠場した富樫勇樹も復帰しチームを牽引した。
中国はNBA経験者を高額で獲得。
9月15日に終了したワールドカップでは、アジアから2次ラウンドに進出したチームはひとつもなく、世界との差を見せつけられた。
世界の中でも体格が劣り、弱小であるアジアの国々は、対外試合を増やし、フィジカルの強度や経験値を上げなければならないのは明白だ。代表戦であれば限られた選手だけしか経験できないが、クラブの対抗戦であれば、経験できる選手の数は増していく。
近年、中国プロリーグのCBAでは、NBAでプレー歴のあるビッグネームと高額で契約してはリーグを沸かせている。優勝した遼寧フライングレパーズには昨季までレイカーズでプレーしていたランス・スティーブンソンや、チュニジア代表でW杯に出たセンターのサラ・メジリなどのNBA経験者が加入し、さっそくマカオのファンを魅了していた。
ADVERTISEMENT
とくにMVPを獲得したスティーブンソンはアウトサイドから鋭く切れ込み、ボールをハンドリングすることも多いだけに、彼とマッチアップをするだけでも、Bリーグのアウトサイド陣にとっては貴重な経験になったはずだ。
アジア版ユーロリーグ化構想とは。
こうして選手やチーム、コーチたちが成長できる機会を提供し、アジアのバスケットボールの発展を目指して開催しているのがテリフィック12なのだが、大会を主催するアジアリーグリミテッドの代表のマット・ベイヤーからは、期間中にこの大会が目指そうとしている未来についての公式発表もあった。
それは、「アジア版ユーロリーグ化構想」についてだ。
「もともと、このリーグをアジア版ユーロリーグにする構想で2016年から準備を進めてきました。現在は主管となるFIBAと良好な関係を築き、FIBA大会の日程を考慮しながらも、長期契約を交わすために話し合いを進めています。この1年間でスポンサーもかなり増え、現在は各国リーグに交渉中で、すでに中国(CBA)と韓国(KBL)からは好感触を得ています。発展が著しいBリーグにもぜひ参戦してほしい」