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NBAとBリーグの架け橋となれ。
馬場雄大のマブス契約の価値とは。
posted2019/09/25 11:40
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kyodo News
「世界レベルのバスケを1年でも早く肌で体感したいという思いが出てきて、アメリカでのバスケットの価値にすごく惹かれました。そういったところで僕も死に物狂いでやっていくことが、さらなる向上、進化につながると思っているので。本当に、いち早く体感したかったんです!」
Bリーグ2連覇中のアルバルク東京を離れ、日本代表の馬場雄大はNBAへの挑戦を決めた。
その最大の意義は、日常と夢のあいだに橋を架けたことにある。
「今回はじめて、Bリーグの選手がNBAに挑戦する。ぜひともその道の開拓者になって欲しいなと思っています」
馬場の海外挑戦記者会見に同席した林邦彦社長がそう語ったように、馬場は国内の大学を経てBリーグで育った選手としては初めて、NBA入りを目指すことになる。
「(渡邊)雄太は2人目のNBA選手になって、(八村)塁は日本人初の快挙としてドラフト1巡目指名となりましたが、ずっと昔から、雄太は雄太、塁は塁、自分は自分の道を突き進むと考えていました。
そう考えると、自分は日本のBリーグを経験してからアメリカへ行く初めての人物だとも思っていたので。そのパイオニアになりたくて、こういう考えになりました」
大学から直接渡米も視野にいれていたが。
これまでに田臥勇太と渡邊雄太の2人がNBAのコートに立ち、八村塁が初めてNBAのドラフトで指名され、富樫勇樹も出場はないがNBAのチームと契約を結んだ。ただ、彼らは日本の大学と国内のトップカテゴリーを経験せずにNBAに挑戦した。
彼らが血のにじむような努力をしてきたことは忘れてはならないが、それでも馬場の挑戦は夢と可能性に満ちたものである。
そもそも馬場は、Bリーガーとしては初めて、(インターン制度に近い特別指定選手としてではなく)大学卒業を待たずにプロとなった選手である。
大学在学中からNBA入りを夢見ており、筑波大学を卒業して渡米することも視野に入れていた。ただ、アルバルクのルカ・パヴィチェビッチHC(ヘッドコーチ)から、日本でプロになってからNBA挑戦を目指してはどうかと説得を受け、アルバルクの門をたたいた。