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日本バスケはW杯で新しい時代へ……。
夢を諦めなかった2人と代表の仲間達。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byKenzaburo Matsuoka/AFLO

posted2019/08/21 11:40

日本バスケはW杯で新しい時代へ……。夢を諦めなかった2人と代表の仲間達。<Number Web> photograph by Kenzaburo Matsuoka/AFLO

(写真左から)エルマン・マンドーレ アシスタントコーチ、フリオ・ラマス ヘッドコーチ。(後列左から)竹内公輔、渡邉飛勇、ファジーカス ニック、八村塁、張本天傑、竹内譲次。佐古賢一アシスタントコーチ。(前列左から)安藤周人、比江島慎、ベンドラメ礼生、篠山竜青、馬場雄大、田中大貴。8月12日のNZ戦にて。

まわりの選手は、どう受け入れたのか?

 日本代表にとって、世界最高峰のバスケットボールを肌で感じ、経験してきた2人が加わったことは大きかった。

 加えて、去年4月には元NBA選手のニック・ファジーカスも日本国籍を取得。2m台の現役あるいは元NBA選手が3人揃った。

 一方で、彼らの活躍と同じぐらい重要だったのは、まわりの選手の受け入れ方だった。

 新しい基準はまわりが受け入れて初めて定着し、新たな常識となる。その点では、古株選手も含めて、代表のチームメイトたちは皆、八村や渡邊の才能に一目置き、そのうえで、若い2人に刺激を受けて負けずに成長したいと思うようになった。

「負けていられない。自分ももっと成長したい」

 たとえば竹内譲次。双子の兄の公輔とともに、長年、日本代表を引っ張ってきた207cm、34才のビッグマンだ。彼自身、チームに定着はできなかったものの、上を目指してアメリカに挑んだこともある。

 その竹内(譲)は去年6月のW杯予選で八村と共にプレーして、その才能と成長のスピードに驚いた。そして、「負けていられない。自分ももっと成長したい」との思いが湧いてきたという。

 去年9月、竹内(譲)は、その心のうちを率直に語った。

「塁っていう本当に素晴らしい選手が日本から生まれた。彼には本当に頑張ってほしい。それは僕だけじゃなく、みんな言っています。本当に羽ばたいてほしいんだと思います。

 日本代表ではチームメイトなので、彼だけにみんなを背負ってもらうんじゃなくて、自分もチームの手助けをしたい。ただ単に彼の練習相手で終わるんじゃなくて、彼といっしょに日本のために戦っていきたいという気持ちです」

 ガードの比江島慎と馬場雄大の2人も、今年7月にNBAサマーリーグに参戦した。それぞれトライアウトを勝ち抜いての参戦だった。

 彼らにその行動を起こさせた理由には、八村や渡邊の存在があった。

【次ページ】 日本代表として史上最強のチームが完成!

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