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コパ準決勝で伝統のクラシコ実現。
ブラジルでも絶大なメッシ人気。
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byGetty Images
posted2019/07/02 11:15
ベネズエラに勝利を収め、準決勝進出を決めたアルゼンチン。次戦は開催国ブラジルとの対戦となる。
準決勝はブラジルにアドバンテージ?
開催国ブラジルとその他の国々では、トーナメントを勝ち上がるための条件がかなり違う。
ブラジルはグループリーグを1位で勝ち抜けば、グループリーグ3試合目を除いて、つねに相手より試合間隔が一日多い中で戦えるスケジュールになっている。しかも準々決勝のパラグアイ戦はPK戦までもつれ込んだものの、試合会場は冬のポルト・アレグレだった。
夜はかなり肌寒くなる南部ポルト・アレグレとは対照的に、アルゼンチンは炎天下のリオで16時キックオフのゲームを戦うことになった。
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こういう条件下では、額に汗して走りまわるようなサッカーはできない。アルゼンチンの選手たち、とくにメッシは多くの時間、歩いていて、肝心のところで一気にスピードを上げてベネズエラを翻弄しようと試みていた。
準決勝はブラジルとアルゼンチンというクラシコが実現することになったが、こうした日程と気候の違いは結果に影響を及ぼすだろうか。
野球の国・ベネズエラの躍進。
最後にベネズエラについて。
かつて“ベースボールの国”と揶揄されたこの国も、近年はサッカーにおいて着実な進歩を見せている。1970年代から'90年代にかけては一度もグループリーグを勝ち抜けなかったが、2007年のベスト8を皮切りに、'11年には4位、'16年と今年は連続でベスト8。“南米最弱”の汚名は確実に過去のものとなった。
今大会のベネズエラは守備的な試合運びを見せ、ペルー、ブラジルとテクニックに勝る相手に2試合連続スコアレスドロー。最後にしっかりとボリビアを叩き、グループ2位に食い込んだ。
こうした3試合を通じての堅実な試合運びは、日本も学ぶべきところがあるはずだ。
アルゼンチンに押し切られたマラカナンの一戦も、内容は悪くなかった。立ち上がりに押し込まれて先制点を失ったのはまずかったが、その後の巻き返しは見応えがあった。
ベネズエラサッカー界の英雄でもあるドゥダメル監督は後半、選手交代とともにパス回しのテンポを一気に上げることで、ゲームの主導権をつかむ。采配ではベネズエラがアルゼンチンを上回ったが、いい流れが来たところでキーパーが正面のシュートを弾き、2点目を押し込まれてしまった。
'11年に続く準決勝進出はならなかったが、劣勢のゲームを守り抜く粘り強さや流れを変える柔軟さ、また攻撃陣にタレントが出てきたことを考えると、ワールドカップ予選突破はもはや夢ではないかもしれない。