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コパ準決勝で伝統のクラシコ実現。
ブラジルでも絶大なメッシ人気。
posted2019/07/02 11:15
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph by
Getty Images
聖地マラカナンで行なわれたアルゼンチン対ベネズエラのコパ・アメリカ準々決勝。スタンドを埋めた5万人の多くは、もちろんアルゼンチン人。だが「空色と白」のユニフォームを着ていたのは、アルゼンチン人だけではない。
16時のキックオフに備え、マラカナン近くの食堂で遅めのランチをとっていると驚いた。相席になったカップルがアルゼンチンのユニフォームを着ていたので、スペイン語で挨拶をすると、彼らは悪びれることなく「私たち、ブラジル人なんですよ」と答えたのだ。
美しいサッカーを好むブラジル人には、メッシを敬愛する人が非常に多い。そのことは以前から知っていた。だが、アルゼンチンの背番号10を着てまでスタジアムに足を運ぶ人がいるとは思いもよらなかった。
メッシ好きのブラジル人、応援はどっち?
ちょっと気になったことをたずねてみた。
「この試合にアルゼンチンが勝ったら、準決勝でブラジルと対戦するけど、そうなったらどっちを応援するの?」
女性はちょっと考えて「さすがにブラジルかな」と答えたが、男性は「半々だね」と即答した。長年の敵対関係を軽々と跳び越えてしまうほど、メッシはブラジルの人々を魅了しているのだ。
さて、肝心のゲームはアルゼンチンが2-0で勝利を収めた。
10分にマルティネスがCKの流れから器用にヒールで流し込み、74分にはロセルソが相手キーパーが弾いたところを抜け目なく押し込んだ。
アルゼンチンにしてみれば順当勝ちといったところ。だが、この試合を見ていて感じたのは、敵地でのコパ・アメリカを勝つことの難しさだ。