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小野伸二を上回る衝撃のデビュー。
久保建英と森保ジャパンの収穫。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byToru Hanai/Getty Images

posted2019/06/10 11:40

小野伸二を上回る衝撃のデビュー。久保建英と森保ジャパンの収穫。<Number Web> photograph by Toru Hanai/Getty Images

約20分間のプレーとなった久保建英のA代表デビュー戦。早々に決定機に絡むなど、圧巻の存在感を示した。

3バックと4バックの併用。

 エルサルバドルとの力関係を気にすることなく、評価できることもある。

 この試合の日本代表は、3バックと4バックを併用した。試合後の森保監督は「想定外のことが起きたときに、柔軟にプレーできるか」をテーマにしたと明かしているが、すなわちそれは9月開幕のW杯予選を念頭に置いたものである。ふたつのシステムのどちらかを選ぶのではなく、90分のなかでふたつを使い分けながら勝利を引き寄せる戦略を、森保監督は思い描いているのだ。

 もうひとつ付け加えておけば、コパ・アメリカも意識したものでもあったのではないか。試合終了時にピッチに立っていた11人のうち、4バック中央の冨安、ボランチの柴崎岳、中島、久保の4人はブラジルでも戦う選手たちだ。チームが軸足とする4-2-3-1のシステムで彼らをプレーさせ、コパ・アメリカへつなげる狙いがあったに違いない。

ベルギー戦から1年、進む強化。

 エルサルバドルは格下だ。試用期間中の3-4-2-1が攻守ともに機能し、クリーンシートで勝利したことも驚きではない。永井や久保のパフォーマンスも、差し引いて考えるべきところはある。

 表現方法を変えれば、チームは伸びしろを示した。

 この日のスタメンで、ロシアW杯のメンバーはふたりだけだった。センターバックの昌子源と原口である。途中出場した6選手のなかでも、柴崎と大迫のふたりだけだ。

 決勝トーナメント1回戦でベルギーに逆転負けを喫してから、もうすぐ1年が経つ。

 日本代表は、ここまで変わってきた。どのポジションも選手層が厚くなった。強化と世代交代のどちらか一方に傾くことなく、日本代表は与えられた環境のなかで前進している。

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