サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
小野伸二を上回る衝撃のデビュー。
久保建英と森保ジャパンの収穫。
posted2019/06/10 11:40
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Toru Hanai/Getty Images
さあ来たか、である。
6月9日に行われたキリンチャレンジカップで、日本代表はエルサルバドルと対戦した。FIFAランキング71位との一戦で、1月のイラン戦以来5試合ぶりの複数得点を記録したからではない。
初招集となった久保建英が、国際Aマッチデビューを飾ったのである。18歳のレフティーをピッチへ送り出す準備は、前半から進められていった。
4日前のトリニダード・トバゴ戦と同じ3バックでスタートした日本代表は、前半開始早々にチャンスをつかむ。敵陣右サイドでパスカットした伊東純也が、そのままペナルティエリア内まで侵入してグラウンダーのクロスを入れる。マイナスのボールを原口元気がフリーで合わせたが、シュートはバーを超えていった。
3-4-2-1の「4」の右ウイングに伊東が、左ウイングに原口元気が入ったこの日は、前半早々からピッチの幅を有効活用し、なおかつ彼らがラストパスの出し手にも受け手にもなる。タテへの推進力を持つふたりのキャラクターが、そのままチームのストロングポイントとなったのだ。
好調・FC東京のエースが代表初ゴール。
1トップで起用された永井謙佑も、持ち味を発揮する。2015年8月以来の国際Aマッチ出場となった30歳は、DFラインの背後を果敢に狙う。彼の動き出しによって、攻撃に奥行きがもたらされていく。
19分の先制点は、その永井が決めた。右センターバックの冨安健洋がボールを持ち出し、永井にスルーパスを通す。ペナルティエリア内での切り返しでふたりのセンターバックを同時に置き去りとしたFC東京所属のFWは、代表で自身初となるゴールを左足で流し込んだ。
永井の俊敏さが発揮されたこの場面では、タテパスの出し手にも注目すべきだ。トリニダード・トバゴ戦では後半から修正されたビルドアップ──前線の選手が下がるのではなく3バックがラインを上げる、スペースがあれば3バックもボールを運ぶ、といったことが意識されていたのである。