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佐々木朗希の163kmは朗報か、警鐘か。
135kmで故障率2.5倍というデータも。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byKyodo News

posted2019/05/02 08:00

佐々木朗希の163kmは朗報か、警鐘か。135kmで故障率2.5倍というデータも。<Number Web> photograph by Kyodo News

ここから夏まで、大船渡・佐々木朗希は常に異様なムードの中で投げることになる。どうか流されず自分の体を気遣ってほしい。

盛岡大附の監督は過去を後悔。

 同じ岩手県の指導者で、登板過多を悔いていたのが盛岡大附の関口清治監督だ。2013年「大谷2世」と言われた松本裕樹(現ソフトバンク)への依存を脱することができず、故障につながってしまった。関口はこんな証言をしている。

「夏の大会を控えた6月くらいになると、最後の追い込み期間です。この時期の練習試合は、ほとんどが強豪との試合になるんです。そうなってくると、どのチームもエースの登板が増えます。強豪を相手に勝ちたいという欲が出てくる。

 また、遠くから遠征に来ているチームが相手の場合、『エースを出さないのは失礼だ』みたいな空気もあるんですよね。スカウトが視察に来ると連絡をもらえば、登板の予定がないときでも1イニングだけ投げさせたこともありました」

 GW中には、日本全国の多くの高校が公式戦や練習試合を組んでいるだろう。また、6、7月は、甲子園を目指す高校は、躍起になって練習試合をこなすことになる。当然、高校球児は必死に目の前の試合に最善を尽くすはずだ。自分がエースならばなおさらだ。

 佐々木が高校3年春の時点で大谷翔平をスピードの部分で超えたという事実は、日本の野球界にとって明るいニュースである。

 しかし、それだけのボールを投げることにはリスクがあることを意識しなければいけない。

 投手の登板過多への意識はずいぶんと高まってどの学校も対策を講じるようになってきてはいるが、速い球を投げる投手にはさらなる対策が必要なのだ。

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