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「本当に投手に有利の球場ですか?」
菊池雄星の疑問と本塁打急増の理由。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKyodo News
posted2019/04/28 17:00
メジャー登板6戦目のエンゼルス戦で初勝利を挙げたマリナーズの菊池雄星。6試合での被本塁打は5。
本塁打増加の要因は使用球?
先にも触れたように、気温とボールの飛距離には関連性がある。気温の低い春先はボールは飛びにくいとされている。2A以下は例年通り、春先に本塁打が生まれにくい状況を示したが、3Aだけは大きく数字を伸ばした。その結論を同誌はメジャー球の使用に結びつけた。
とはいえ、このデータはある意味想定内の結果と言える。
品質で劣るマイナー球がメジャー球より飛ばないことは当然である。記事ではシーズンが進むに連れ、3Aの本塁打が増え続けると予想したが、問題提起の真の狙いは今季のメジャー使用球が昨季まで以上に飛ぶ事実にあったのではないだろうか。
月間本塁打記録を更新するペース。
4月23日終了時点で、メジャー全体ではこんな数字が残っている。
698試合で931本塁打。
昨季4月終了時点の912本塁打をすでに上回り、このままのペースでいけば1122本塁打となる。この数字は17年6月の1101本を上回り、月間メジャーリーグ本塁打記録を更新することになる。
しかも、今はシーズンで最も寒い4月なのである。
『フライボール革命』、『バレルゾーン』に代表される打者の技術習得が結果につながっているという見方は否定しないが、それだけとも思えない。
擦ったような打球が本塁打となり、バットの根元や先に当たった一打でも今季はフェンスを越えていく。明らかに昨季まで以上に今季の使用球は飛ぶようになっている。MLB機構の作為的な狙いが感じられてならない。