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菊池雄星が考える「僕の役割」。
メジャーで手に入れた新しい野球観。

posted2019/04/25 11:45

 
菊池雄星が考える「僕の役割」。メジャーで手に入れた新しい野球観。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

6度目の登板でメジャー初勝利を手にした。菊池雄星の戦いは、野球界そのものにつながっている。

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菊池雄星

菊池雄星Yusei Kikuchi

PROFILE

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Naoya Sanuki

 高校1年生の時、僕はメジャーリーグを目標に掲げました。

 高校を卒業してすぐに海を渡るということも考えましたが、「日本で結果を出してから」と夢は胸に秘めて、日本のプロ野球の世界に入りました。それから9年が経ち、僕はメジャーリーグの舞台に来ることができました。

 しかし世界最高峰の舞台に来ることは、ゴールではなくてスタート。この舞台で結果を出すことで、はじめて見える世界、新しく知ることが山ほどあると思っていて、それをいい財産にしていきたいと思います。

 振り返ってみれば、僕がメジャーリーグを目指したのは「もっと上の世界でプレーしたい」という向上心があったからです。西武で一軍に定着して投げるようになってからは、自分をさらに高められる厳しい環境に身を置きたいと強く感じていました。

 厳しい環境に来るということは、いろんなプレッシャーがあります。大げさにいうと「怖さ」もあります。日本とは異なる国に行くので自分に負荷をかけることにもなりますが、それを避けていたら、野球選手としても人としても成長できません。日本が良くないということではなく、常に自分に負荷をかけ続けたいという思いが僕にはあります。

 今の時点で、僕がメジャーリーグで成功するかどうかは全く未知数です。僕の努力次第だとは思いますが、成功は約束されていなくても、成長は約束されていると思っています。世界最高の舞台に出ていくことで成長はできる。この世界でいろんなことを吸収して、人生の中での貴重な経験にしたいと思っています。

マリナーズはミーティングが多い。

 2月にスプリングトレーニングがスタートして、僕の新たな挑戦が本格的に始まりました。これまでとは異なる世界に身を置いてみると、驚くことが多く、僕の中での常識が日々ぶっ壊されていく感覚があります。

 例えば、マリナーズのスプリングトレーニングではミーティングが多くありました。

 日本のキャンプではミーティングをそれほどやったことがなかったので、その多さは意外でした。全体練習の前に1時間くらい使ってやるのですが、戦術的な話は最後の10分くらいで、ほとんどが野球とは関係ない話をするのです。

 選手の自己紹介をする時や、監督が面白い話をしてくれる時もあります。ある時は監督がカラオケをやるぞと言い出して、選手を指名することもありました。

【次ページ】 練習が遅れてでも議論を大切にする。

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