Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
<史上最高額移籍の真相>
中島翔哉「カタールに純粋な魅力を感じた」
posted2019/03/21 15:00

text by

豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Daisuke Nakashima
誰もがヨーロッパのビッグクラブへの移籍を期待していた。
ポルトガルメディアは連日のように国内のポルトやベンフィカの名前を挙げ、プレミアリーグやリーガの名門の名が出ることもあった。中島翔哉はどこへいくのか。彼の行き先は最近のヨーロッパの移籍市場におけるひとつのトピックだった。
しかし中島が選んだのは、誰にとっても意外な場所だった。
アル・ドゥハイル。その名を聞いても、すぐにそこがどこか分かる人は欧州のサッカー関係者の中にもほとんどいない。しかし中島はカタールのドーハを本拠とするこのクラブを自ら選んだ。
移籍金は日本人選手史上最高の3500万ユーロ(約44億円)。カタールはアジアカップで優勝したように近年急成長を遂げており、国内リーグも世界中から優れた指導者や選手を呼び入れている。とはいえ、知名度やレベルはヨーロッパのリーグには及ばない。
24歳の中島翔哉は何を考え、カタールを選んだのか――。
ぐにゃりとした見たこともないような形の高層ビルに、輝かしい高級ホテル、数えきれないほどのショッピングモールが続いている。
アル・ドゥハイルのスタジアムは中心部から少し離れたところにある。エントランスを通ると、トップチームとユースのコーチや選手が混ざりあって雑談していた。「ナカ」というのが中島の愛称らしい。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 3352文字
ウェブ有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。