Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
<主将として選抜へ>
清宮幸太郎「春の開花を待ちわびて」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/03/15 09:00

都大会を制したが、決勝でまさかの5三振。だが、そこには打てないながらもチームに貢献しようとする“主将”の姿があった。
3月19日開幕の第89回選抜高校野球。早稲田実業の新主将・清宮幸太郎が、初めて春の切符を掴んだ昨秋の都大会での奮闘を振り返ります。2016年11月18日発売のNumber臨時増刊号「日本代表、新たなる希望。~W杯アジア最終予選前半戦総括~」に掲載の記事を、特別に公開します。
3月19日開幕の第89回選抜高校野球。早稲田実業の新主将・清宮幸太郎が、初めて春の切符を掴んだ昨秋の都大会での奮闘を振り返ります。2016年11月18日発売のNumber臨時増刊号「日本代表、新たなる希望。~W杯アジア最終予選前半戦総括~」に掲載の記事を、特別に公開します。
うれし涙のようでも、悔し涙のようでも、あった。
9月3日に開幕した高校野球の秋季東京都大会が11月3日、幕を閉じた。同大会で、新主将の清宮幸太郎を擁する早稲田実業は8試合を戦い抜き、早実としては斎藤佑樹(日本ハム)がいたとき以来、11年振りとなる都制覇という最高の果実を実らせた。
「うちは、誰かが失敗しても助けてくれるチームなんで」
そう声をやや震わせながら振り返った清宮の目は、神宮球場のナイター照明に照らされて光っていた。
都大会決勝の相手は、西東京の宿命のライバルでもある日大三。舞台となった神宮球場は、高校野球では珍しく外野スタンドまで開放され、異様な熱気に包まれた。
その大一番で清宮は、左スリークォーターの速球派・櫻井周斗から「記憶にない」という5打席連続三振を喫する。決め球はいずれも外に逃げていく変化球で、第3打席以外は、すべて空振り三振だった。
「まったく当たる気がしませんでしたね……」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 2408文字
ウェブ有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。