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<直撃インタビュー>
三木谷浩史「バルサと契約した理由」
text by

豊福晋Shin Toyofuku
photograph byDaisuke Nakashima
posted2016/12/09 09:00

カンプノウの敷地内にあるイベント会場、「アウディトーリ1899」は満員だった。
壇上にはバルセロナ幹部の顔が並ぶ。フィナンシャル・タイムズ紙など、スペインだけでなく世界中から集められたメディア関係者たち。2017年からのバルサの新スポンサー発表はスポーツ界だけでなく、社会経済を巻き込むニュースでもあった。
アリババか、アマゾンか、ファーウェイか、そして楽天か――。
新スポンサーを巡っては、数日前からメディアでさまざまな予想がされていた。楽天は第4候補。だが、壇上のジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が口にしたのは、「楽天」の名だった。
その契約内容は世間を驚かせた。
4年契約。1年延長のオプションつきで、金額は年間5500万ユーロ。カタール航空との現契約を大幅に上回り、5年となると日本円で総額320億円を超える、サッカー史上最高規模のスポンサー契約だ。
バルトメウ会長に呼ばれた三木谷浩史・楽天代表取締役会長兼社長が壇上に姿を現し、流暢な英語で質問に答える。バルセロナではあまり馴染みのなかった「Rakuten」の名は、その日から街の至るところで話題となった。
会見後、カンプノウ内のVIPルーム。ピッチ上での撮影を終えた三木谷浩史氏が姿を現す。ジェラール・ピケの仲介によってクラブ側と接触してからこの日に至るまで、1年以上の時間がかかったという。満足感もあったのだろう、表情は柔らかい。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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