Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
<最前線レポート>
いざ、アメリカ! 真の頂を目指す“挑戦者”たち。
~内山高志/井上尚弥/三浦隆司~
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2015/12/14 06:00

内山高志。
それは最高の晴れ舞台だった。
11月21日、米国はラスベガス、マンダレイベイ・イベンツセンター。数々のレジェンドたちがファイトしたこの会場で、WBC世界スーパーフェザー級王者の三浦隆司は無敗のメキシカン、フランシスコ・バルガスを挑戦者に迎えた。この日のメインイベントは今年下半期最大の注目カード、ミゲール・コット対サウル“カネロ”アルバレスのスター対決である。テレビ放映はビッグマッチに限り採用されるペイ・パー・ビュー。三浦の5度目となる防衛戦は、そのセミファイナルに組み込まれた。世界中のボクサーが一度は夢見るビッグステージである。
三浦がこのイベントに抜擢されたのは、ノックアウトの多いエキサイティングなファイトスタイルだけが理由ではない。タイトルを獲った試合から数えて、4戦連続してメキシコ人選手を退けている事実が決め手となった。
三浦の所属する帝拳ジム会長にして帝拳プロモーション代表、本田明彦は次のように解説する。
「今、アメリカのボクシングの中心にいるのはメキシコ系アメリカ人(あるいはメキシコ人)。スターになるには、本人がメキシコ系であるか、そうでなければ彼らを倒して人気を獲得していくしかない」
フィリピンの無名選手だったマニー・パッキャオが米国でスーパースターになれたのは、メキシコ系の実力者たちを次々と撃破していったからにほかならない。メキシコ人ホープの好敵手として起用された三浦は、まさにパッキャオと同じ道を歩み始めようとしていたのだ。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 2845文字
ウェブ有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。