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浅田真央、得点力UPの“秘訣”。
~ジャッジの目で見たさらなる「伸びしろ」~
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph bySunao Noto
posted2015/11/19 06:00

2014年3月の世界選手権後の長期休養から、今年10月のジャパンオープンで553日ぶりに浅田真央は競技大会へと復帰を果たした。国内外のトップスケーターが集う中、141.70と1位の点数をたたき出し、多くの祝福とともに迎えられた。その4分は、再出発の起点である。それとともに、休養前と比べてどこまで復調しているのか、現段階でのポテンシャルを推し量る演技であり、今シーズンを、今後を占うベースでもある。
では、採点する立場の人々の目線では、どのように捉えられたのか。
国際スケート連盟(ISU)シングル・ペアのジャッジであり、シングルのテクニカル・コントローラーである岡部由起子氏は、「予想以上」と振り返る。
「浅田真央選手は、休養している間、ショーに出て滑っていましたが、私は全くショーを観ていません。ですから、休養する前と比べてどこまで戻して帰ってくるか楽しみにしていましたが、予想以上でした。世界のトップスケーターであるプライドが見えましたし、すばらしい仕上がりでした」
全体として感銘を受けた中でも、高く評価する部分を解説する。
「休養中、アイスショースケーターとして滑っていたことで、おそらくお客様に見せるというところは鍛えられたのでしょう。コンポーネンツのパフォーマンス/エクスキューション、特に感情の表出、というところに該当する部分が、見応えがあり伝わってくるものがありました。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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