Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
<歴代監督の比較論>
吉田麻也「僕が学んだザック、アギーレ、ハリルホジッチの哲学」
text by

西川結城Yuki Nishikawa
photograph byTomoki Momozono
posted2015/06/16 06:00

ドイツ・デュッセルドルフ。オランダでプレーしていた頃はよく通ったこの街を、吉田麻也はプレミアリーグの試合の合間を縫って訪れた。馴染みの日本料理屋に集まったのは、ドイツやその近隣諸国でプレーしている日本代表の面々。そしてテーブルの中心には、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がいた。楽しい会話の中に織り交ぜられる、選手たちへのメッセージ。厳格だがウィットに富んだ指揮官への印象は、ここでも変わらなかった。
◇
合宿中の時ほどはシビアな話にはならなかった。ただ、あらためて監督としてキャリアも長いし、哲学がしっかりとある人だと思った。そして、完璧主義者。妥協はしないですね。自分自身にもそうだし、他人に対しても。でも、高圧的に命令する感じではない。僕たちの意見にすごく耳を傾けてくる。またこれまでの監督とは違う性格の方ですね。
真面目でカッチリしているところは、ザックさん(ザッケローニ元代表監督)と似ている。ただチーム作りは違う。ザックさんはある程度メンバーを固めていった。クラブチームみたいな作り方だった。でもハリルさんは、最初からはっきりと「競争が必要」と口にしている。僕たちにも「常にクラブで試合に出て欲しい。コンディションが良い選手を選ぶ。試合に出ないとダメだ」と常に話している。競争を煽っていますね、良い意味で。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 3799文字
ウェブ有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。