スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
“Number BICYCLE”ってなんだ?
スポーツ・ミニベロで都市を疾走!
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph bySAKAI CYCLE
posted2019/03/05 07:30
この価格帯でエアロフレーム、前後ディスクブレーキ、ディープリム……実車でぜひ丁寧に作り上げられた細部も見ていただきたい。
一部の高級自転車ばかりが注目されるが……。
高 まさにそれ! 奥山が何の先入観も持たずにフラットワンに乗って、街中を疾走して感じた素直な「快感」こそ、サカイサイクルとNumberの狙い……というか、願いなんだよ。自転車ってサ、誰もが簡単に楽しめ、いつでもどこでも気持ちいいって感じることができる乗り物であり、スポーツだと思うんだ。
奥山 なるほど。ところが一時期のロードバイクブームのせいで、高い自転車でハードな走りをしなきゃいけないという風潮がまかりとおってしまいましたね。そんな風潮に警鐘を鳴らしたんですね!
高 いや、まぁ、警鐘って言うほど大層なもんじゃないけどサ。例えば20年前くらいのMTBブームで前後サス付きのMTBにちょい乗りしたことがある40歳台のパパさんとか、あるいはママチャリで駅まで走っている30歳前後のビジネスマンとかに、スポーツバイクの入門としてこのフラットワンに乗って欲しいなぁ。
奥山 ふむふむ。こういうスタイリッシュなバイクがたくさん走るようになると、街が活性化しますね。バイクブームが復活するといいですね。
高 バイクブームはもちろん、もっともっとスポーツそのものが盛んになればいいと思うよ。だってサ、今年はラグビーワールドカップが日本で開催されるし、来年には東京オリンピックが待ってるんだぜ。
自転車ファンの裾野を広げたいという思い。
奥山 あの~、高さん……最後にお聞きしたいんですけど。いや、そのぅ……さっきも言いましたが、僕はフレームのデカい「Number」のロゴが、ちと気恥ずかしいんですけど……。っていうか、スタイリッシュなアーバンバイクで自転車の楽しさや、さらにはスポーツの促進を訴求するなら、別にロゴが無くたっていいじゃないですか!? いやいやいや、どうせならバイク専門誌のロゴを貼り付けた方がいいんじゃないっすか?
高 バッカだなぁ。Numberというスポーツ誌が自転車のメッカ、堺市にある本格バイクメーカーのサカイサイクルとコラボして、ゼロから作り上げたところに意義があるんじゃないか!
だいたいサ、ガチムキ体育会系の専門誌だと、外国ブランドの高級ロードバイクに媒体のロゴステッカーを貼って、巻頭グラビア2ページで紹介してお終いだろ!? そりゃあサ、ガチンコで走っているサイクリスト達のブツ欲を刺激するかもしれないけど、自転車ファンの裾野を広げるには効果があまり無いよな。