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アラベスがバルサから首位を奪う?
攻撃性と90分以降のゴール数が凄い。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byUniphoto press
posted2018/11/22 10:00
あのバルサを出し抜いてアラベスが首位に立つ――。リーガでそんな展開が起きたら、とんでもなく痛快だ。
チーム得点王を失っても。
最終的に、アラベスは余裕で1部残留を達成した。アベラルドが陣頭に立った第14節以降の獲得ポイント(41)で順位をつけてみると、バルサ(58)、A・マドリー(52)、R・マドリー(49)、バレンシア(42)、ベティス(42)に次ぐ6位である。
そのペースを今季も維持している。というと、それほどの大事ではないように響くが、戦力の多くを1年間のレンタルでまかなっている低予算のクラブにとって、これは決して易しいことではない。
今夏のアラベスは、昨季チーム最多得点者ムニルやチャンスメイカーの1人ペドラサを失う一方で代替選手探しが遅れ、リーガが開幕しても補強は完了していなかった。なのに勢いは一度も衰えていないのだ。
アベラルド就任以降の獲得ポイントを今季第12節までで比較すると、アラベス(64)の順位はバルサ(82)、A・マドリー(75)、R・マドリー(69)に次ぐ4位まで浮上する。
90分以降のゴールが多すぎ。
そんなアベラルドのアラベスには、サポーターをスタジアムに引き寄せ、釘付けにする特徴がある。文字通り「最後まで」ゴールを狙い続けることだ。
そんな姿勢がスコアボードに反映された試合を挙げると、93分の逆転弾でアベラルドの初陣を飾った昨季の第14節ジローナ戦。90分に1-0の勝利を決めた第26節レバンテ戦。第33節ジローナ戦は1-2で敗れたが、一矢報いたのは90分だった。また、第34節ラスパルマス戦は91分の追加点で4-0の快勝を収めた。
今季は、第4節バジャドリー戦の93分にイバイ・ゴメスが決勝ゴールを蹴り込んだ。第5節ラージョ戦では95分にブルギが5点目を決め、クラブのアウェーでの1試合最多得点記録を塗り替えた。
続く第6節ヘタフェ戦はカレリの93分のヘディングシュートで1-1の引き分け。第8節はマヌ・ガルシアが95分に浮き球を押し込み、87年ぶりとなるR・マドリー戦勝利を成し遂げた。さらに第10節では不調に陥っているビジャレアルを、94分のボルハ・バストンの逆転ゴールで破っている。