リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
アラベスがバルサから首位を奪う?
攻撃性と90分以降のゴール数が凄い。
posted2018/11/22 10:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Uniphoto press
「二強時代」と「二強プラス1時代」が長らく続いていたリーガが、今季は混戦となっている。
第12節を終えた時点で首位はお馴染みのバルサだが、勝ち点24は、デポルティーボが勝点23で首位に立っていた2001-02シーズン以来の少なさだ。
この現状は、昨季の上位陣がポテンシャルを活かせずにもがくなか、低予算・戦力弱のクラブが工夫と努力をもって、格上の相手に対しても臆することなく向かって行くことで生じた結果と言えるだろう。
そんな下克上組のうち、パフォーマンスを安定させて順位に結びつけているのが、このコラムでも取り上げたエスパニョールと、今週末の結果次第では首位に躍り出る可能性もあるアラベスである。
アベラルドがチームを救った。
両者の共通点は監督がキーマンということ。ただし、エスパニョールのルビがゼロからスタートしたのに対し、アラベスのアベラルドはマイナス地点でチームを引き受けた。
ちょうど1年ほど前のことだ。
アラベスはそのとき2勝11敗、泥沼に深く沈み込んでいた。
開幕時のアルゼンチン人監督スベルディアの下で4連敗を喫し、暫定的に指揮をとったカベージョも黒星を増やし、イタリアから来たデビアージの2試合目でようやくシーズン初勝利を記録したが、すぐに負けが込んでクビ……。
しかし、アベラルドの手でチームは蘇生し、降格圏を抜け出した。イバイ・ゴメスは彼がもたらした変化をこう証言している。
「初日から選手全員が感じたのは厚い信頼だ。それから、ボールを使うメニューが増えたこともあって、練習を楽しめるようになった。みんな自分のプレーに自信が持てるようになり、伸び伸びとし始めた。サッカーに限らず、何ごとも自信をもってやるとうまくいくだろ」