第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
3年生の区間配置が神奈川大学のカギ。
主力好調の國學院大學は1区がポイント。
text by
箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph byYuki Suenaga
posted2018/12/05 11:00
國學院大學
<予選会4位> <前回大会14位> 3年連続、12回目
“3本柱”の実力は確か。
1区で出遅れないことが重要。
文=折山淑美
前回大会は、6年ぶりのシード権獲得の好機と目されていた。
1区で2位と抜群の滑り出しをし、その後も区間3位が1区間、区間5位が3区間ありながらも、残りの5区間でいずれも2ケタ順位。ちぐはぐなレースをすると、終わってみれば総合14位に留まった――。
そんな國學院大にとって、10月の予選会も、誤算が多い結果になった。
「力のある3人をフリーで走らせて、中盤のグループは1km3分ペース、後ろは10kmを30分30秒という3段階のパターンで行かせたけど、ラストが伸びなかったですね。各校のオーダーを見た時に、駒澤大学が明らかにレベルがひとつ違うかなと思いましたが、本番でシード権にチャレンジするのであれば予選会ではしっかり2位を狙って取りにいかなければいけない。15kmまでは想定内だったんですが、そこから上がって来なかったのが心残りです。10番手までは1時間4分30秒以内で入って欲しいと思っていましたが、9番手以降は1時間5分台。それより下は雰囲気に飲み込まれて10kmでおかしくなっていたので、正直なところ、下の方は崩壊というところです」
前田康弘監督がこう話すように、ピーキングの問題もあるとはいえ、「まだ底力のない選手が多い」のが現状だという。
「勝負所で気持ちが引き気味になってしまうのではなく、もっと攻めて力を出し切る部分が欲しい。そういう面もこれからの練習で考えていかなければいけない」
前田監督は、そう気を引き締めた。
前回1区で2位の浦野が好調。
主力級にも誤算はあった。前回の箱根駅伝では4区で区間3位の好走を見せた土方英和(3年)は、フリーで走らせたものの5kmで走りが崩れてしまい、守りの走り。本来の力を出せなかった。また、3区で区間5位だった青木祐人(3年)は、調子が良くない中とはいえ、1時間5分台の結果に終わった。この2人にはもう少し上のレベルでまとめてほしかったという。
一方で、本大会へ向けては収穫もあった。
前回大会1区で区間2位に食い込んだ浦野雄平(3年)が日本人トップ争いに加わって、日本人4番目の7位に入ったことだ。
「15kmを過ぎて塩尻(和也・順天堂大学)さんが出た時について行こうか迷ったんですが、これまで立川のレースでは終盤の走りがなかなかうまくできなくて失速するということが多かったんです。無理していくより確実に自分のペースを刻んでいこうと判断しました。最後の集団で勝ちきれなかったのは課題ですが、大きく崩れなかったという点ではとりあえずよかったと思います」
浦野は今年、世界大学クロカンに出場して日本人2番手の6位になり、5月の関東インカレ2部5000mでも3位に入っている。11月の全日本大学駅伝でも序盤のエース区間の2区を走り、19位でたすきを受けながらも区間賞に5秒遅れるだけの区間3位で走り切り、順位を7位まで押し上げてチームのシード権獲得の立役者となった。