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北海道がスプリンターの聖地化。
寒さのハンデを上回る魅力とは。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byGetty Images

posted2018/11/04 08:00

北海道がスプリンターの聖地化。寒さのハンデを上回る魅力とは。<Number Web> photograph by Getty Images

100m、200mの日本記録保持者である福島千里は、昨年まで北海道を拠点に活動していた。

手本となる選手がいる好循環。

 中村氏は他の指導者なら嫌がる、球技を練習に取り入れるなど、ユニークな指導方針を打ち出してきた。練習環境に制限があるからこそ、それを逆手にとった指導方法で臨んでいる。自身が高校教員として教えていた頃に原点がある。廊下をただ走らせても気持ちが続かないことから、いかに気持ちを途切らせずに取り組ませるかという発想を持ったという。

 監督を務める北海道ハイテクアスリートクラブのインドアスタジアムでは、小さなハードルを並べて練習させることが有名となった。ピッチを身につけるためだったが、そうしたアイデアもまた、制限があるから生まれてきたもの。

 また、小池が高平を憧れの存在としてきたように、手本となる選手がいて、それを追う選手が伸びる。この好循環も、次々とスプリンターが育つ要因と言えるのではないか。

 御家瀬は福島が当時所属していた北海道ハイテクアスリートクラブに小学校高学年から通い、福島とも知り合った。福島はすでに日本女子短距離で大活躍していた頃だ。福島が目標となり、その後を追いかけてきたのである。

指導者同士の情報交換も。

 中村氏にとどまらず、指導者同士の情報交換もあって、熱心な指導者は各地域に存在する。先輩と後輩が縦の循環なら、それは横の循環と言ってもいいかもしれない。

 ここまで、北海道出身の短距離選手が目立つこと、そしてその理由を見てきた。

 それらだけが答えではないかもしれないが、ここに名前をあげた選手ばかりでなく、若い世代にも有望視される存在がいるだけに、北海道から、また次代を担う選手が出てきたとしてもおかしくはない。

 2年後へ向けて、いやその先に向けても、楽しみになってくる。

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