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近づくファジーカス完全復活の日。
脅威の“オンザコート3”はいつ?
posted2018/10/17 07:00
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph by
B.LEAGUE
B1リーグ全体の開幕戦として行われた千葉ジェッツ戦で勝利を収めた川崎ブレイブサンダース。
Bリーグが発足する以前は東芝ブレイブサンダースという企業チームであり、日本人選手は全員東芝の社員という最も企業色の濃いクラブだった。Bリーグになって選手が全員プロとなっても、運営会社は東芝の子会社としてその影響力を残していた。
しかし昨シーズン中に、プロ野球にも参入しているDeNAへのクラブ売却が決定。東芝はスポンサーとしてユニフォームの胸にその名を残すのみとなり、今シーズンは新たなスタートを切ることとなった。
その新生・川崎ブレイブサンダースのホーム開幕戦が行われたのが10月12日。ホームアリーナである川崎市とどろきアリーナがどのような空間に生まれ変わっているのか、川崎ファンのみならず他クラブのファンの間でも注目の的となっていた。
新たな取り組みとしては、ブレイビーに代わる新マスコットキャラクター「ロウル」の採用や天吊りの4面ビジョンの導入、その日の試合の写真を会場限定で販売するLIVE PHOTOブースといったところが目立つ。
そして、メンバー3人のうち2人が川崎市出身のヒップホップグループ・スチャダラパーが場内の音楽プロデュースを担当し、この日は来場して試合前にパフォーマンスを披露したことも大きなトピックといえるだろう。
完成形が100だとしたら、まだ50。
こういった数々のアリーナ演出について、運営会社「DeNA川崎ブレイブサンダース」代表取締役社長の元沢伸夫は「完成形が100だとしたら、今日は50くらい。これから緊急ミーティングだらけです」と評価。初の“実戦”だったことを差し引いても納得できるものではなかったと言い、特に試合中のBGMのオペレーションの部分を反省点の一例として挙げた。
「オフェンスの音楽とディフェンスの音楽を間違えたり、オフェンスの曲をかけるタイミングも『今のはこっちの曲だよ』というのがあって、一定のルールは設けていたんですがその通りにできていなかったところがあります」
とはいえ、もちろん反省点ばかりではない。一例として挙げられたBGMに関しても、時折“無音”の状況をあえて作ることでホームの一体感を演出しようとしていた。4708人もの観客動員を記録したこの日、その大歓声によって試みは概ね成功したと言っていいだろう。