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10年前のドラフトから考えるヤクルト。
失敗でもなく成功でもないその戦略。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byKyodo News

posted2018/10/09 10:30

10年前のドラフトから考えるヤクルト。失敗でもなく成功でもないその戦略。<Number Web> photograph by Kyodo News

守備が最優先の捕手で、打力までも伴う選手は少ない。中村悠平の今季ここまでの打率.207をどう評価するか……。

“左腕の技巧派”の早期引退を惜しむ。

 赤川は'12年に初めて投手成績19位に名をつらねて8勝9敗(規定投球回に到達)の成績を残している。

 八木は'13年に先発投手として26試合に登板して5勝13敗。

 日高は'12年に中継ぎ役として66試合に登板して、3勝2敗15ホールドを記録している。
'12年のヤクルトのチーム成績は3位なのだから、赤川と日高は十分に貢献していると言える。

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 彼らは球界に多い左打者の殺し役として重宝する“左腕の技巧派”タイプだった。現役引退した年が20歳代半ばというのは、非常に惜しいと思っている。

 そして、チームに大きく貢献したのが3位の中村である。

日本代表選手になるほど活躍した中村。

 ヤクルトでは古田敦也の引退以降、レギュラー捕手不在が長く続いた。

 そんなチーム状況にあって、中村は'12年には91試合に出場して53安打を放っている。'15年には136試合の出場を果たして、プロ入り7年目にしてレギュラーの座をつかんでもいるのである。

 中村は'12年11月の日本対キューバ戦では、侍ジャパンの代表メンバーにも選出されるなど、その存在価値が1チーム内にとどまっていない、というところも見逃せない。

 '08年のドラフトを俯瞰する体で全12球団の成果……という考え方をしてみると、この年の指名選手で全日本クラスに育ったのは中村以外では攝津正(ソフトバンク)、大野奨太(日本ハム、現中日)、中島卓也(日本ハム)、西勇輝(オリックス)、浅村栄斗(西武)くらいになる。

 この選手名でわかるように、ほとんどがパ・リーグの選手だ。

【次ページ】 球界再編の影響をパのドラフト戦略に見る。

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