月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER

宮沢りえ以来の貴乃花劇場が再び。
スポーツ紙の論調が割れる時は……。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byTakeshi Honda/JMPA

posted2018/09/30 08:00

宮沢りえ以来の貴乃花劇場が再び。スポーツ紙の論調が割れる時は……。<Number Web> photograph by Takeshi Honda/JMPA

将来を担うと誰もが信じた貴乃花は、これで相撲界と決別することになるのだろうか。

意思疎通もままならない組織なら……。

 さて、各紙の論評を読むと、ポイントの1つは7月に決まったという「5つある一門のいずれかに所属しなければならないという決定事項」であることがわかる。

 これについて貴乃花親方には「知らされなかった」と書く新聞もあれば、「耳に入っていたはず」と書く新聞もある。

 貴乃花「孤立」の意味。それが仲間外れにされたのか、人に心を開かなかった結果なのか、このニュアンスの違いで全然異なってくるのだ。

 ではどうすればよいのか。

 日刊スポーツの提案が目に留まった。

「一方は伝えたつもりでも、もう一方には伝わらない。意思疎通もままならず孤立化が進む。希代のスーパースターを失うような確執、孤立が生まれる組織なら、いっそのこと組織運営のプロに任せるべき。そんな選択肢も本気で考える時代に突入しているのかもしれない。」

 この問題、そのあとのスポーツ紙を読んでもまだ真相は藪の中である。

「貴乃花、独り相撲」という安易な見出しを見かけなかったことが、かえって今回の問題のややこしさを感じさせた。

 以上、今月のスポーツ新聞時評でした。

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