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昨季2位シャルケが開幕5連敗の危機。
なぜ深刻なゴール欠乏症に陥ったか。

posted2018/09/29 10:00

 
昨季2位シャルケが開幕5連敗の危機。なぜ深刻なゴール欠乏症に陥ったか。<Number Web> photograph by Uniphoto press

開幕5連敗に気落ちするテデスコ監督とシャルケイレブン。ただ巻き返しへまだまだ時間はある。

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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 隣町の宿敵ドルトムントがド派手な花火(ニュルンベルクに7-0の大勝)を打ち上げた前日、シャルケが開幕5連敗を喫した。

 VARによるゴール取り消しや、ポストに2度も嫌われる不運に見舞われたとはいえ、敵地でフライブルクに0-1の完封負け。試合終了の瞬間、開幕戦以来のスタメン出場を果たしたMFズアト・ゼルダルは顔面蒼白で天を見上げ、左サイドを激しく上下動していたDFハムザ・メンディルは膝から崩れ落ちた。

 時計の針が進むにつれて、生気を失っていったドメニコ・テデスコ監督はレフェリーに食い下がった。この日の審判団に「ひどいミスは何ひとつなかった」(『デア・ヴェステン』紙)が、3分の表示だったアディショナルタイムに不満があったようだ。

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 ただ、試合があと1、2分長く続いていたところで同点に追いつけただろうか。力を出し尽くした選手が1人も審判に抗議しなかった事実が、妥当な敗戦という事実を物語っていた。

崩し切ってのゴールは1つもない。

 昨シーズンの2位チームは、なぜ急激に競争力を失い、「夢にも思わなかった」(クリスティアン・ハイデルSD)危機的な状況に陥ったのか。

 その最たる要因は、得点力不足をおいてほかにない。ヴォルフスブルクに1-2、ヘルタ・ベルリンに0-2、ボルシア・メンヘングラッドバッハに1-2、バイエルンに0-2、そしてフライブルクに0-1という結果が示しているように、とにかくゴールが遠いのだ。

 総得点2は、もちろんリーグ最少だ。しかも、そのうち1点はPKで、もう1点はブレール・エンボロによる年に1度あるかないかのスーパーミドルが決まったものである。つまり、相手守備陣を完全に崩し切ってのゴールは、1つもない。

 攻撃時に散見されるのは、マティヤ・ナスタシッチやサリフ・サネらCB陣がロングボールを前線に送り、相手に易々と跳ね返されるシーンだ。

【次ページ】 新司令塔候補ルディの誤算。

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