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堂安律も若手気分でいられない?
欧州リーグの平均年齢と外国人比率。
text by
杉山孝Takashi Sugiyama
photograph byGetty Images
posted2018/09/25 07:00
オランダ・エールディビジで活躍する堂安律。20歳という年齢は同リーグでは特別若くはない。
堂安も若手気分ではいられない。
さらにリーグ内に目を転じれば、一番若いクラブは平均22.7歳のフローニンゲン。20歳になった堂安律も、若手気分ではいられない。エールディビジでは今季第3節まで終えた時点で、17歳以下の3人を含む、12人の18歳以下の選手がリーグ戦に出場している。
反対に平均年齢の高さが目立つのが、54リーグ中49番目のスペイン(平均27.0歳)、48番目のイングランド(同26.8歳)だ。ラ・リーガは世界的名門のバルサやR・マドリーのけん引により、UEFAのリーグランキングでダントツのトップに立ち、英プレミアは世界で最もリッチなリーグだ。いわば、選手たちの出世のラストステップと言ってもいい場所なのだろう。
国際性にもリーグごとの特徴が。
この2つのリーグの競争力を保つのは、多様性である。世界中からトッププレーヤーが持ち寄る個性が、切磋琢磨のレベルを上げている。
特にプレミアリーグは外国籍を持つ選手の占める割合でトップに立つ。もはや自国の選手はマイノリティというわけだ。南米などEU外地域の出身者を含めて、欧州では複数の国籍を持つ選手も多い。リーグによって枠数もホームグロウンの解釈の仕方もまちまちと、外国人選手に関するレギュレーションも様々だ。だが、外国籍選手が10人に満たないのはボーンマスだけというプレミアは、やはり突出している。
「国際性」で個性と居場所を確立し、上位リーグを支える国もある。外国籍選手比率が63.6%のベルギーや、62.6%のポルトガルがそうだ。日本企業がオーナーのシント・トロイデンに招かれ、今夏に日本人選手が多く渡ったベルギーは、平均年齢の若さも売りだ。ポルトガルは南米からの金の卵の輸入も大きな利益につなげている。
オーストリア・ブンデスリーガの外国人選手率は3割にも満たないが、目を引くのが南野拓実も所属するザルツブルク。同じ親会社を持つドイツ・ブンデスリーガのライプツィヒとの選手交換というからくりはあるが、他クラブがすべて1ケタである中、20人を超える外国人選手を抱える。焚きつけられる選手の野心を原動力に、昨季も独走でリーグを制した。