Number PLUS MoreBACK NUMBER
堂安律も若手気分でいられない?
欧州リーグの平均年齢と外国人比率。
posted2018/09/25 07:00
text by
杉山孝Takashi Sugiyama
photograph by
Getty Images
神童、ワンダーキッド……。新たな時代を象徴する選手を目にした時、人々はそんな言葉を口にする。
その舞台が4年に1度の世界的祭典となれば、このフレーズのインパクトはさらに増す。今年のロシア大会でのキリアン・ムバッペが、まさにそんな存在だった。ひと昔前ならセンターサークルからのドリブルでゴールを奪ったマイケル・オーウェンだろう。
ブラジル大会決勝戦でゴールを決めたマリオ・ゲッツェは、17歳でプロデビュー。18歳でフル代表デビューすると、勢いそのままにドルトムントのリーグ制覇に貢献している。
彼らの元祖は、ムバッペ以前にただ一人10代のうちにワールドカップ決勝でゴールを決めた「王様」ペレになるのだろう。
欧州では何歳まで「キッド」?
こうした選手たちを思い起こすと疑問が浮かぶ。何歳まで「キッド」なのか? 欧州で日本の大卒選手のように、22歳がルーキー扱いされることはない。10代であろうと常に結果が要求され、選手は厳しい競争にさらされ続ける。
そうした欧州の土壌が生む「育成力」を見ていく上で、平均年齢を見てみよう。
<リーグ平均年齢・外国人比率一覧>
平均年齢(歳)/外国人比率(%)
リーガ・エスパニョーラ(スペイン) 27.0/40.0
プレミアリーグ(イングランド) 26.8/67.6
セリエA(イタリア) 26.3/57.5
ブンデスリーガ(ドイツ) 25.3/52.9
リーグアン(フランス) 25.3/47.4
プリメイラ・リーガ(ポルトガル) 26.1/62.6
ジュピラー・プロリーグ(ベルギー) 24.8/63.6
オーストリア・ブンデスリーガ(オーストリア) 24.6/28.7
エールディビジ(オランダ) 24.1/36.9
※並びは上からUEFAランキング順。数字は'18年9月1日時点のもの。
24.1歳。こう聞くと、随分若いチームだと思うかもしれない。だが、これはオランダのエールディビジまるごとの平均年齢である。
狭い国土から世界的名手を輩出する育成大国らしく、この平均年齢は欧州に54ある1部リーグ中3番目の若さとなる。その上はエストニアとスロバキアという小国であり、欧州トップレベルのリーグでは抜きんでた数字だと言っていい。