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バドミントンの「飛ばない球」問題。
東京五輪のシャトルはどうなる?
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byAFLO
posted2018/09/16 08:00
奥原希望はジャパンオープンの会場でシャトルが飛ばない感覚を指摘している。
奥原、山口が「飛ばない」。
選手たちは皆、シャトルの見え方や、コートから天井までの高さ、観客席までの距離感、会場内の風の流れを入念にチェックして、2年後に備えて感覚をつかもうとしていました。
そして、2年後に向けて最も重要なチェックポイントが「シャトルが飛ぶか、飛ばないか」ということなのです。
大会の初戦を終えた後、昨年の世界選手権金メダリスト奥原希望が「シャトルが飛ばない会場」と印象を語っていました。今年の世界選手権銅メダルの山口茜も「飛びづらい」、男子ダブルスで銀メダルを獲得した園田啓悟・嘉村健士ペアも「球が伸びない、飛びにくい」と口を揃えていました。
2年後の東京五輪会場は、いわゆる「球が飛ばない会場」なのです。
日本勢は飛ぶ方が有利とされる。
これは日本の気温や、会場の作りが大きく影響しています。気温が低く、湿度が高ければ球は飛ばず、また、天井が高い、会場が広いことでも選手は球が飛ばないように感じます。
日本人選手はネット際の球回しが上手く、スピードのある選手が多いため「球が飛ぶ」会場が有利とされているのです。8月に行われたアジア大会のジャカルタは気温が高かったため、シャトルが飛びやすく、球がスピードに乗りやすい環境でした。それだけに、より今回の会場が「飛ばない」という印象を持ったという一面もあります。
シャトルは、飛ばない方から1から7までの7種類に分けられていて、4のシャトルを基準として、1から3までの飛ばないシャトルを使うのか、5から7までの飛ぶシャトルを使うのか、湿度などに合わせて会場が変わってもなるべく同じ飛び方をするようシャトルも変更されます。