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バドミントンの「飛ばない球」問題。
東京五輪のシャトルはどうなる?
posted2018/09/16 08:00
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
AFLO
2013年に物議を醸した、プロ野球の統一球問題。「飛ぶボール」「飛ばないボール」がホームランの数や試合展開に大きな影響を及ぼしたこのニュースを、記憶に残している方も多いはずです。
ボールの反発係数(バットにボールが当たった時にどれだけ飛ぶか)が変わることによって、打者の打率やホームラン数、投手の防御率や勝ち星が、大きく変わることが世に知れ渡りました。
競技に人生を懸ける選手たちにとって、特に球技の選手にとって、ボールの「飛ぶ」「飛ばない」は競技人生をも左右してしまいます。
球技では扱うボールの特性を掴み、共存しなければ安定したパフォーマンスは出せません。野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、テニス、卓球、ハンドボールなど……実はこの他にも、球(たま)という言葉を使う競技があります。
それが、バドミントンです。
ジャパンオープンは五輪と同会場。
選手の皆さんは、ラケットで打つシャトルのことを「球」……“たま”と呼びます。
先端のコルクがゴムで覆われ、羽が付いているシャトルのことを「たま」と呼ぶのを初めて聞いた時には、少し違和感がありました。実況用語でもラリー中などで、シャトルを相手コートに返すことを「返球」と言います。これを踏まえると、バドミントンもまさに「球技」ということになってきます。
9月11日から東京で開催されているバドミントンのジャパンオープン2018は、日本開催の世界一決定戦ともいえる大会です。
そのジャパンオープンの会場である武蔵野の森・総合スポーツプラザは、2年後の東京五輪のバドミントン会場にもなっています。東京五輪と同じ会場、まったく同じ環境で行われているという、非常に重要な意味を持つ6日間の大会なのです。