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ホース、噴霧器、野菜の水切り器!
サッカー高校総体で驚きの酷暑対策。
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byToshihide Ishikura
posted2018/08/21 08:00
ハーフタイム中、噴霧器で体を冷やす選手たち。真夏のインハイ、現場はこんなことになっていた。
噴霧器をハーフタイム中に噴射!
多くの高校のベンチに置いてあり、もはやスタンダードになっているとさえ感じられたのは「噴霧器」だ。本来は農業用の薬剤散布などに利用されるもので、手を使ってポンプで空気を圧縮してから噴出するタイプと、電池を使うタイプがあり、ホームセンターなどで1000~8000円程度で購入できる。
近年のインターハイでは大会本部が、水のミストとともに風を送る大型扇風機を、各校のテントに1台ずつ設置している。ただ風向きなどによってミストがテント内に届かないこともあり、効果は限定的だ。
各校の選手はハーフタイムやクーリング・ブレイク中(気温や湿度などから計測される暑さ指数が一定値以上に達した試合で、前後半の半分程度が経過したときに3分間設けられる休憩時間。インターハイでは2016年から導入された)にウエアを脱ぎ、上半身裸になっているチームがほとんどで、そこに噴霧器で背中や首筋などに水をかけ、体を冷やしていた。
扇風機から冷やしたタオルまで。
試合中に体を冷やすための道具は、他にもあった。前橋育英や東福岡(福岡)が使っていたのは「小型扇風機」。サイズは女性誌より少し大きめ、2冊分くらいの厚さで、近くから背中に風を当てていた。ただ、これは少数派で、風の作り方で多かったのは「タオル」であおぐこと。
タオルの使い方で特徴的だったのは、立正大淞南(島根)。冷たい水につけてから軽く絞り、選手の腕や背中に置いて冷やしていた。噴霧器のように「点」ではなく、「面」で当てることで、上半身全体を冷やす狙いだ。
この夏、エアコンの室外機の上に水を張ったバケツを置き、タオルの端を水に浸して、残りの部分を室外機の上を覆うように広げておくと、「冷え方が明らかに違う!」というアイディアがSNS上で話題となった。水の気化熱で室外機の温度を下げようというもので、原理としては同じと言えるだろう。