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ホース、噴霧器、野菜の水切り器!
サッカー高校総体で驚きの酷暑対策。
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byToshihide Ishikura
posted2018/08/21 08:00
ハーフタイム中、噴霧器で体を冷やす選手たち。真夏のインハイ、現場はこんなことになっていた。
米子北の秘密兵器は「脱水機」。
タオルはタオルでも、米子北(鳥取)が使っていたのは「洗車用タオル」。洗車後に車体に残った水滴を拭き取る際に使用する、吸水性が優れているものだ。いつもより多い汗を拭くため? かと思いきや……。
11年連続の出場となった米子北は今回、インターハイで初めて使う道具を持ち込んでいた。
手で回す「脱水機」だ。
前半を戦い終えて戻ってきた選手たちのユニフォームは、水をかぶったかのように汗で濡れている。前橋育英はウエアだけ新しいものに着替えていたが、どのチームも用意できるわけではなく、米子北も同様だった。
ただ、汗で濡れたユニフォームは着心地が悪い上に、かなり重い。これまでは日に当てて少しでも乾かそうとしていたが、中村真吾監督の「もっといい方法がないか」という声もあり、梶貴博コーチが見つけてきたのが、手で回して、洗濯もできるタイプの脱水機だった。
脱水に時間がかかったので代役を。
1回戦では、さっそく威力を発揮した。ざっと水に浸した後に脱水機で水分を飛ばし、干しておくと、それまでよりもはるかに軽く、着心地も良くなったという。
ただ、1台だけしかないために、全部を脱水するのに時間がかかってしまった。もう1台あれば作業が早く済むが、購入したのはネット通販だったので、翌日の2回戦には間に合わない。
梶コーチは代わりになるものがないかと、三重県内のドン・キホーテに足を運んだ。そこで、見つけた。しかも料理道具のコーナーで。
「野菜の水切り器」だ。同じように手で回すタイプで、同じくらいの大きさ。最初の脱水機が約8000円だったのに対し、約2000円と値段も手ごろだった。ただ梶コーチは、これだけで十分に脱水できるのか、少し不安があった。