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大谷翔平の凡打に見る後半戦の鍵。
さらなる1/100秒単位の時間短縮。
posted2018/07/18 08:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
メジャー二刀流1年目の前半戦が終了した。
投手では9試合、4勝1敗、防御率3.10。49回1/3を投げ三振61、奪三振率は11.1を記録した。
打者としては45試合で157打席。打率2割8分3厘、7本塁打、22打点。
右肘内側側副じん帯損傷で25日間の離脱もあったこの3カ月半を大谷はすべて前向きに捉えた。
「すごくいい経験がたくさん出来た。初めての経験ばかり。いいことも悪いことも自分の経験になるんじゃないかなと思っています」
打者として向き合っている苦悩とは。
メジャー1年目は言うまでもなく学びの連続となる。投手専任であっても、中4日での調整、広大な全米で異なる環境面での適応、対戦経験のない打者への対応と、時間に追われる日々となる。
加えて登板間の打者出場がある。相手投手のデータを頭に入れ、打席内で見たボールを整理する。加えて多様なフォームで投げてくる各投手への微調整も迫られる。連日、“しなければならない”ことに追われる二刀流の仕事は専任選手の2倍では収まらない。それなのに、いつも大谷翔平は楽しそうに野球に取り組んでいる。
“苦労が多いから楽しい”
そんな気がしてならない。
球宴休みの最終日となる19日(日本時間20日)に大谷は三たび検査を受ける。自身が「メドは立っている」と語るようにその後は投手としての再調整が始まるだろう。
投手復帰は早くても8月20日過ぎ。しばらくは打者専任は変わらない。今、大谷が楽しんで向き合っている打者としての苦労を探ってみたい。