酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
プロ野球にダブルヘッダー復活を!
終盤の過密日程、消化試合を防げ。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2018/07/18 10:30
プロ野球最後のダブルヘッダーは1998年の10月に行われた横浜対中日と、西武対オリックスだ。
今年はなんと5%もの中止が起こっている。
過去5年で、両リーグ合わせて160試合が雨天中止になっている。そして12球団すべてが毎年雨天中止の憂き目にあっている。
パ・リーグはソフトバンク、西武、オリックス、日本ハムの本拠地が屋根付き球場なのに対し、セは巨人と中日だけ。それだけに、セの方が中止になる試合数は多い。
もっとも雨天中止試合が多いのが阪神だ。甲子園はもちろん屋外球場、過去5年で32試合も中止になっている。阪神は、今年の交流戦でも4試合が雨天中止になって振り替え試合となったために、休みなしで後半戦に突入している。
データを見ると、毎年の中止試合数は波があることもわかる。
2014年36試合(4.2%)
2015年40試合(4.7%)
2016年28試合(3.3%)
2017年27試合(3.1%)
2018年31試合(6.8%)※7月8日まで
今年は異様に多い。7月5日ころから西日本を中心に記録的な豪雨になり、雨天中止が急増した。この中には含まれていないが、7月9日からの広島での阪神3連戦も中止になった。
多くの死者を出した広島で、この時期試合をするのは適切ではない。阪神はホームで9試合、ロードで6試合が中止だ。また中止がないはずのナゴヤドームでも豪雨の影響で1試合中止になった。異常気象の影響は深刻だ。
このペースで雨天中止試合が増えると、ペナントレースの終盤にしわ寄せを食らって過密日程のチームが出てくる。阪神は特に深刻だろう。
昨年は、ペナントレース終了後のクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ、2位阪神、3位DeNA戦が雨にたたられ、まるで「ガタリンピック野球大会」みたいな試合をした。
NPBでは2013年のように、クライマックス・シリーズが始まった後も消化試合がだらだら続くケースが散見される。今年もその可能性は大いにあるだろう。