酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
プロ野球にダブルヘッダー復活を!
終盤の過密日程、消化試合を防げ。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2018/07/18 10:30
プロ野球最後のダブルヘッダーは1998年の10月に行われた横浜対中日と、西武対オリックスだ。
ダブルヘッダーを再開してみては?
こうした状態を解消するために、NPBはダブルヘッダーの再導入を考えるべきではないか。NPBは1998年を最後にダブルヘッダーを行っていないが、禁止しているわけでもない。選手の消耗が大きい上に、ダブルヘッダーは1枚のチケットで2試合が観戦できたので、興行的な損失もあったのでやらなくなったのだ。
昔のプロ野球は、滅多に満員にならなかった。ダブルヘッダーにして多少ともお客が増えれば、チケットは半額でも、売り上げ増になることもあった。
しかし今のNPBは、満員に近い観客動員が当たり前になっている。雨天中止、翌日ダブルヘッダーとなって、前日のお客がそのままチケットをもってダブルヘッダーに押し寄せては、とても収容できるものではない。
しかし試合と試合の間隔を開けて、ダブルヘッダーを入れ替え制にすればその問題はクリアできる。今の技術ならそれは可能ではないか。第1試合開始を12時にし、第2試合を18時にすれば十分対応は可能だと思うが。
そういう形で、消化試合を後ろに引きずらないほうが、はるかにペナントレースはスムースになると思うのだが。
観客動員を増やす効果も単純に強力。
今、NPBは空前の観客動員を誇っている。
昨年は2513.9万人、1試合平均2.93万人を動員したが、今年は7月8日の時点で1356.7万人、1試合平均は2.97万人とさらに増えている。
NPBが経済規模を拡大するためには、試合数増がもっとも手っ取り早い。選手の消耗の問題はあるが、それはベンチ入り人数を増やせば対応可能なはずだ。
単純にMLBと同じ162試合にすることで、全体で858試合から972試合に増える。それだけで330万人の観客増加だ。
今、広島やDeNAの試合は、ネット売り出し日にほとんど完売する。手に入れるのは至難になっている。試合数を増やせば、すぐにそのチケットは売れるだろう。試合数増は顧客のニーズにこたえることにもなる。
ダブルヘッダーをうまく使えば、試合数を増やすことは可能なはずだ。いろんな問題はあるだろうが、NPBはMLBよりはるかに移動距離が短いのだ。「野球離れ」にもかかわらず観客動員が増えている今、踏み切るべきではないかと思う。