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ロシア連邦総領事館員が教える、
W杯を迎える現地の本当のところ。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byChigirev Anton

posted2018/06/11 07:00

ロシア連邦総領事館員が教える、W杯を迎える現地の本当のところ。<Number Web> photograph by Chigirev Anton

南アフリカ、ブラジルと続いてきたことを考えると、ロシアでのW杯は日本人サポーターにとっても過ごしやすい大会になりそうだ。

「ロシアの人たちは他国も応援する」

 また、ケガ人の多さも深刻。DFではジキア(スパルタクモスクワ)、バシン(CSKAモスクワ)、カムボロフ(ルビン・カザン)、FWではココリン(ゼニト)が間に合わなかった。元レアル・マドリーのMFチェリシェフ(ビジャレアル)はメンバー入りしたが、今季もケガがちで調子は上がっていない。

「2年前にベレズツキー兄弟とイグナシェビッチが代表から引退していたのですが、急遽、今大会前にチェルチェソフ監督の要請でイグナシェビッチが復帰しました。この38歳の大ベテランが4バックに入ると思われます」

 こういう厳しい状態の中で、ラッキーボーイになることが期待されているのが22歳のMFゴロビン(CSKA)だ。モナコが狙っていると報道されている。

「個人的にはもちろんロシアにベスト16へ進出してほしい。ただ、今回は厳しいと思う。グループステージ突破の確率は60%くらいじゃないでしょうか。チームの戦力に対してロシアの人たちは悲観的なので、たとえグループステージで負けても、騒ぎにはならないと思います」

 アントンには昨年のコンフェデ観戦で、忘れられないシーンがある。

「チリの試合がカザンであったとき、歩行者天国で歌を歌ったり、シュプレヒコールをあげたりするチリサポーターに対して、地元のロシア人が拍手で歓迎していました。ロシアの人たちは他国も応援する。友好的なサッカーの祭典になるはずです」

 ロシアはアジアとヨーロッパにまたがって存在しており、多民族国家でもある。アントンとツンさんが出会ったように、これまでにない融合や交流を生む大会になるかもしれない。

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