イチ流に触れてBACK NUMBER
“外野”の喧騒に欠けている視点。
GM・監督が語るイチロー効果とは?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2018/04/25 11:30
4月22日は久々の右翼で先発出場。3打数2安打2四球と結果を残している。
イチローによる、チームの明らかな変化とは?
今回、ジェリー・ディポトGMとスコット・サービス監督は、連日のようにイチローの必要性を熱く語っていた。
ディポトGMが地元ラジオ局に話してきたポイントはこんな話だった。
「イチは我々のクラブハウスに大きな影響と変化を与えた。彼の立ち振る舞い、存在感、寛容さは素晴らしい。誰よりも多くのことを成し遂げてきた選手であるからこその影響力が彼にはある」
サービス監督も4月19日の試合前、記者に囲まれての会見で同様のことを言った。
「彼にはベテラン選手の貫禄がある。私の立場として良い効果だと思うのは、彼と他の選手との交流、相互作用だ」
続々と意見を求めにくる選手達。
イチローは他の選手に対して、決して自分から思っていることは言わない。だが、聞かれれば、いつでも自分の経験から得た言葉を送る。それは若い選手にはまごうことなく金言となる。
マーリンズ時代からの弟分ディー・ゴードンはイチローとチームメイトになって以降、自らアドバイスを求め続け、'15年、'17年の200安打に繋げた。今季は二塁手から中堅手にコンバートされ、外野守備のいろはをイチローに日々聞きに行っている。
それだけではない。イチローのライバルとなる外野陣のベン・ギャメル、エレディアでさえも、ベンチでよくイチローと話をしている。
巨漢一塁手のボーゲルバックもまた隣で話している姿をよく見かける。指揮官はそんな光景を日々見ているからこそ、目を細めた。
「彼はチームにフィットしている。自分の考えをチームメイトにシェアしている」