酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
大谷翔平はMLBで2番目に速い投手?
球種・投球回ごとに分析してみると。
posted2018/04/24 07:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
AFLO
大谷翔平がMLBにデビューして、そろそろ3週間。新年度が始まったばかりの読者各位にも、そろそろ「メジャーリーガーOhtani」との付き合い方がわかってきたのではないか。
「投手大谷劇場」は週1回、「打者大谷劇場」は週3回程度、テレビで見れなくてもメディアは逐一速報してくれるから、仕事をしながらも一喜一憂できる。
それにしても、ここまでMLB中継でドキドキしたのはいつ以来だろうと思う。イチローやダルビッシュや田中将大もいろいろ楽しませてくれたが「何をするのかわからない」ドキドキ感は、野茂英雄以来かもしれない。
思えば1995年、野茂英雄がドジャースに移籍してから、私たちは「朝、野球でドキドキする」楽しさを知ったのだった。この年、NHKのBS放送加入者は大幅に伸びたというが、さもありなんと思う。
さて、投手大谷翔平について細かく見ていきたいと思う。直近のレッドソックス戦は、マメがつぶれて2回で降板した。本来の投球ではないので除外し、アスレチックスとの2試合に焦点を当てたい。
2試合の数字を見ていくと……。
まずはトータルの数字(空振りにはファウルチップを含む)。データはMLB公式サイトを参照した。
〇4月1日 アスレチックス戦 勝ち投手
6回3被安打1被本塁打自責点3 6奪三振1与四球
92球 ストライク63球 ストライク率68.5% 空振り18球
平均球速 143.84km
〇4月8日 アスレチックス戦 勝ち投手
7回1被安打自責点0 12奪三振1与四球
91球 ストライク59球 ストライク率64.8% 空振り25球
平均球速 144.84km
8日の試合の方が内容ははるかに良かったのだが、ストライク率は下がっている。2度目の対戦とあって、各打者はボールをよく見たのだ。そして平均球速はほぼ変わらない。これは意外だ。しかし、球種別に見ていくと、そのからくりが見えてくる。