サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
“選手ファースト”西野朗新監督。
あと68日間で何ができるか?
posted2018/04/12 21:50
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
やたらと「ただし、」の言葉が気になる所信表明だった。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任を受けて、日本サッカー協会技術委員長の立場から、急遽、日本代表を指揮することになった西野朗新監督の就任会見である。
例えば、ハリルホジッチ前監督の「縦に速いサッカー」を継続するのか、全く違うスタイルを目指すのか、という質問に対して。
「(ハリルホジッチ)監督のスタイルというのは、今までの日本のサッカーに足りなかった部分でもあると思います。1対1に強さを求めたり、縦の攻撃に対する推進力を求めたり。
これは今までのA代表だけではなく、各カテゴリーの代表が世界大会に行って、少なからずそういうものが足りずに次のステージに進めなかった。こういう部分をハリルホジッチ監督は世界基準として、自らW杯に参戦した上で、『デュエル』『縦』というシンプルな言葉で表現していましたけど、実際の内容に関しては非常に高度なもので、それを選手たちに強く要求していた。そのスタイルは間違いなく現状の日本代表チーム、日本のサッカーにとって必要なことではあるとは思います」
ただし、
「やはり日本化した日本のフットボールというものはありますし、その中には技術力を最大限に活かしたり、戦い方においても規律や組織的なところで結束して戦っていく強さ、化学反応を起こした上で戦える強さ。そういうものをベースにした上でこれから構築していく必要があると思いますし、自分自身も必要だと思っています」
「攻撃的なサッカーを目指すのか?」
続いて、攻撃的なサッカーを目指すのか、守備的に勝利を目指すのかという質問に対して。
「ゲームにはいろんな状況があるし、オフェンシブに戦える時間もあればチーム力によってディフェンシブに強いられる時間が多くなることもある。そういうなかで勝利を求めていく、ゲームの流れをつかめなくても勝負に対してここっていう意識、勝機があるっていうことを考えていきたい」
ただし、
「当然、攻撃的な志向を求めて、得点を生んでいくゲーム展開にしたいと思いますが、それだけではない。ウィークポイント、ストロングポイントがどこにあるのかを考えたうえで、できれば攻撃的にいきたい」