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甲子園の勝利数番付、センバツ編。
愛知と四国が春にやたらと強い理由。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKo Hiroo

posted2018/03/22 16:30

甲子園の勝利数番付、センバツ編。愛知と四国が春にやたらと強い理由。<Number Web> photograph by Ko Hiroo

夏は潰し合いになってしまう同県の強豪が揃って出られるのもセンバツの特徴。それを反映した数字になっている。

勝率7割以上のPL学園は、引退扱いに。

 なお西の横綱は古豪の龍谷大平安だが、実はこれを上回る実績を残した学校が1つある。言わずと知れたPL学園だ。戦績は

48勝17敗 勝率.738 優勝3回 準優勝1回

 勝率は中京大中京や東邦をはるかに上回る。本来なら西の横綱に据えるべきだが、一昨年の夏の大阪府大会を最後に野球部は休部している。現時点では、今後、勝ち星を挙げる可能性がないので、引退扱いとし、番付から外した。

 四国が春に強いのは、温暖な気候が大きいだろう。20年ほど前まで、四国はプロ野球春季キャンプのメッカだった。また古くから野球が盛んな土地柄でもあり、練習環境にも恵まれている。

 3月の時点ではまだグランドが雪に覆われている豪雪地帯とは大きな差がある。

 ちなみに都道府県別で、春の甲子園で最も勝ち星が少ないのは新潟県だ。通算成績は3勝12敗の勝率2割ちょうど。新潟が日本一の豪雪地帯であるのは、よく知られていることだ。

以前は歴史ある伝統校が選ばれやすかった。

 そして四国の勝ち星が多い理由がもう1つ。

 選抜高校野球について調べるために、私は毎日新聞社の分厚い社史をひっくり返して創設当時のセンバツの選考基準を発見した。当時の選考基準は(1)学校、野球部の歴史、(2)実力、(3)前年度の成績 だった。戦前までは、同じ程度の実力ならば、歴史ある伝統校が選抜されたのだ。

 四国には香川県の高松商、愛媛県の松山商、高知県の高知商、徳島県の徳島商と、明治時代創立の商業高が揃い立っている。これらの学校は高校野球界では「古豪」と呼ばれるが、選抜の選考ではこうした学校の歴史も考慮されたのだ。

 もちろん、それに加えて、高知の明徳義塾、徳島の池田など四国からは甲子園を沸かせる強豪校が続々出ている。もともとのレベルが高いのは言うまでもないことだ。

【次ページ】 今年の出場校の注目はどこだ。

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